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代表番号 06-6150-8000 土・日・祝休診
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各診療科・部門のご案内泌尿器科

特色

当科は泌尿器科領域である副腎,腎臓,尿管,後腹膜疾患、膀胱,尿道,前立腺,陰嚢内容,陰茎などの腫瘍やがん、感染症・炎症、先天異常、結石さらには小児泌尿器疾患、男性更年期・ED、内分泌疾患、膀胱機能障害、尿失禁、腎機能障害、慢性腎疾患などの治療、尿検査異常の精査等を行わせていただいております。ただし設備の関係上腎不全に対する血液透析、癌に対する放射線治療は行えませんので他施設へご紹介しております。
また、本院は日本泌尿器科学会の専門医・指導医である3名の常勤医がすべての診療(診察・手術・検査)を行っております。そして常に高い医療水準と安全性を提供し地域の患者様方に貢献できますよう日々努めております。

代表的な症状

① 血尿

血尿には肉眼的血尿、顕微鏡検査、尿潜血反応陽性などがあります。肉眼的血尿の原因には運動後血尿などの良性のものもありますが、多くは尿路の疾患によるもので、尿路の悪性腫瘍、尿路結石、尿路感染症などがあります。なかでも特に痛みのない血尿は要注意で、膀胱癌の80%、腎盂尿管癌の60%の初発症状が血尿といわれておりますので、例え1回きりの血尿であっても、一度は泌尿器科の診察を受けられるのがよいかと考えます。
一方で顕微鏡的血尿(尿沈渣で赤血球を確認できているもの)は泌尿器科的疾患から多岐の内科的腎疾患まで幅広くの疾患を含み、内科的総合的な検索も必要かと考えます。
また尿潜血反応はヘモグロビンによるペルオキシダーゼによる反応をみておりますので、実際には血尿ではない偽陽性も多くみられます。尿潜血反応陽性で沈渣で赤血球が確認できない場合は溶血によるヘモグロビン尿,ミオグロビン尿などの場合もありますが、特に高齢の女性は慢性の尿路感染症を有している場合が多く、この場合尿中の細菌や白血球中のペルオキシダーゼで偽陽性になる場合もしばしばみられます。ただし慢性の尿路感染症には時に悪性腫瘍が隠れている場合もありますので尿潜血反応が陽性なら(たとえ本来の血尿ではなかったとしても)、時々は尿細胞診をチェックされるのがよいかと考えます。

② 痛み

痛みを伴う泌尿器科疾患の代表的なものは尿管結石と思われます。側腹部から下腹部にかけて突然のかなり強い痛みと時に血尿や吐き気などの消化器症状を伴います。痛みの特徴は腎部(患側の側背部)では随伴する水腎症や炎症による圧痛・叩打痛を認めますが、それより下方の側方から下腹部前面にかけては(痛みはあっても)圧迫による痛みの増強(すなわち圧痛)はなく、これが腹腔内臓器の疾患との鑑別に役立ちます。さらに痛みの時に血尿があれば診断はほぼ確実かと思われます。また体動時や体位によっての痛みの増減はなく、こちらがあれば筋・神経系などの他の疾患が原因の疼痛が疑われます。
また陰嚢の痛みとして急性陰嚢症があります。最も多いのが精巣上体炎(副睾丸炎)で、精巣上体に感染がおこり陰嚢全体が腫れ上がりかなり強い痛みを伴います。さらに重要なものに精巣捻転があります。これは睾丸が陰嚢の中で捻じれてしまい、血流が途絶え、腫れて、急激な痛みが発症します。重要なのはこの病気が子供から比較的若い人に発生しやすく、そのまま放置すると睾丸は壊死に陥り機能を失ってしまします。この場合は早急な処置(用手整復、手術による整復・固定)が必要となります。

③ 発熱

一般の膀胱炎では発熱することはほとんどありませが38度以上の高熱がでる代表的な泌尿器科疾患は急性の腎盂腎炎、前立腺炎、精巣上体炎などです。呼吸器症状・風邪症状がなく原因のはっきりしない高熱が出る場合はこれらの疾患にもご注意ください。また尿路結石に伴った高熱の場合は、高度の尿路感染症を呈し、時には敗血症などの重症感染症になる場合がありますので早急な対応が必要となります。

④ PSAの上昇

近年,本邦での前立腺癌の増加は著しいものがあります。最近一部にはPSA検診による過剰医療の指摘などもございますが、実際には欧米のランダム化比較試験においてもPSA検診による前立腺癌の死亡率の明らかな低下が証明されております。米国では50歳以上の70-80%がPSA検査を受けて早期発見が進んでいますが、本邦では20%程度の受診率であり、その結果,未だ局所進行癌や骨転移を有した状態で発見される方も少なくありません。さらに日本は世界有数の高齢化社会ですが、高齢者の患者さんであってもまだまだお元気な方も多く、健康な長寿をおくるためには経過観察も含めた適切な治療介入が必要と思われます。こういった点でPSAは最も良いモニタリングのマーカーであると考えられます。PSAの基準値は4.0ng/mlとなっておりますが、炎症や性行為などのいろいろな条件で変動します。また前立腺肥大症でも高くなり、いわゆる4.0~10.0ng/mlのgray zoneでの扱いが問題となります。原則的にはやはり数回の測定をしていただき、経時的に上昇するようであれば、一度は泌尿器科での診察を受けていただくのが、最も現実的かつ妥当な対応かと存じます。

⑤ 前立腺肥大症(BPH)のフォロー、エコー検査について

泌尿器科以外におかれましても前立腺肥大症の治療を受けておられる患者様も多いかと存じます。PSAに概ね問題なく、尿所見が正常であれば基本はα1ブロッカーでのフォローになるかと思われます。また最近ではデュタステリド(5α還元酵素阻害剤)やタダラフィル(PDE5阻害剤)などの新規薬剤も出現し、これらの併用も有効かと思われます。1つ注意点といたしましては以前はよく使用されていたクロルマジノンと今回のデュタステリドには抗男性ホルモン作用があり、結果的には前立腺体積とPSAの低下がみられます。PSAが本来の値より低めであることを認識したうえで、やはり経時的な推移をみるのが重要かと思われます。
また前立腺のおおよその大きさ・形状と合わせて残尿をみるにはエコー検査が極めて有用です。尿を十分に溜めた状態で恥骨上にプローベを当てれば(高度の肥満症例でない限り)、前立腺の形状を概ね理解することができますし、時には膀胱内病変(腫瘍や結石)の診断にも有用です。また排尿後には残尿も測定可能でありこれにより大まかな排尿状態の理解が可能となります。前立腺体積、残容量ともに3方向を計測し0.55を乗ずることで回転楕円体に近似した体積が測定できます。薬剤治療にもかかわらず症状の改善されない方、あるいは前立腺体積が30ml以上、残尿が50ml以上が続くような場合は一度は泌尿器科の診察を受けられるのがよいかと存じます。

体積の測定は3方向を測定し a x b x c x 0.55cm3 で計算する。(図の残尿であれば6.5 x 4.5 x 3.5 x 0.55=65.3ml)


前立腺の形状の理解と体積測定

残尿量の測定

代表的な治療法

① 腹腔鏡下手術

本院では腎尿管悪性腫瘍に対する腎・尿管の摘出手術や腎の部分切除手術を、また前立腺がんに対しましては腹腔鏡を利用した小さな傷での手術,腹腔鏡下小切開前立腺摘出術などを行っています。また腎の悪性腫瘍につきましては(腹腔鏡,開腹手術を問わず)、できるだけ腎部分切除術を採択し、腎の温存に努めております。本院は日本泌尿器科内視鏡学会,日本内視鏡外科学会により腹腔鏡下手術の技術認定を受けた認定医が2名おり、安全に手術を行っております。

② 尿路結石症

尿路結石症の治療につきましては、基本,体外衝撃波装置による破砕術((ESWL) を行っておりますが、時には衝撃波では破砕困難な症例もあり、このようなケースに対しましてはレーザーを用いた内視鏡による破砕術(経尿道的腎尿管砕石術;TUL)や経皮的腎砕石術(PNL)も行っております。またESWLに関しましてはできる限り患者様の要望にお応えできるよう、受診された当日であってもほとんどの場合治療可能となっております。なお尿管結石に伴った腎盂腎炎の場合には敗血症など重症感染症の危険性があり、早急に治療が必要となります。すぐに入院の上、尿管ステントを留置しドレナージを行った後、炎症が治まってから結石の除去手術を行っております。
また最近では尿路結石はメタボリックシンドロームの一症状であると考えられています。尿路結石症の患者さんは明らかに肥満、高血圧、糖尿病,高尿酸血症、高脂血症などの成人病を合併している割合が高く、よって結石治療の後も再発予防のためには成人病対策が重要となります。

③ 前立腺生検について

PSAの値やMRI検査により前立腺癌を強く疑った場合は確定診断のために前立腺生検を行いますが、当院では、仙骨麻酔を原則に、最近多い抗凝固療法を行っている患者様は(抗凝固療法を中止せずに)静脈麻酔+局所麻酔でも検査を行っております。いずれの場合も、すべて麻酔科専門医による麻酔下に行っておりますので、患者さんに痛みの苦痛を与えることなく、よって結果的には安全でかつ検体の採取も十分な精度の高い検査が可能となっております。

 

スタッフ紹介

役職氏名専門分野認定・資格等
部長 熊田 憲彦 尿路悪性腫瘍
排尿障害
腎機能障害・腎不全
日本泌尿器科学会専門医・指導医
日本透析医学会認定医・指導医
日本腎臓学会認定専門医・指導医
日本臨床腎移植学会腎移植認定医
日本移植学会移植認定医
担当部長 河野 学 泌尿器科一般
泌尿器腫瘍学
神経泌尿器科学
男性性機能
尿路結石症
日本泌尿器科学会専門医・指導医
日本性機能学会専門医
日本腎臓学会認定専門医
大阪府立学校における学校検尿担当医
身体障害者福祉法第15条「じん臓機能障がい」
 「ぼうこう又は直腸機能障がい」指定医
医長 田中 尚夫 泌尿器科一般 日本泌尿器科学会専門医・指導医
日本泌尿器科学会腹腔鏡技術認定制度認定医

主な診療実績(2022年度)

部位術式症例数

腎・尿管
後腹膜腫瘍摘出術、腹腔鏡 0
腎(尿管)悪性腫瘍・開腹摘出 0
腎(尿管)悪性腫瘍手術・腹腔鏡下摘出 3
腎悪性腫瘍・小切開部分切除術 0
腎悪性腫瘍・腹腔鏡下部分切除術 0
腎瘻造設術 5
体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(ESWL) 11
経皮的腎砕石術(PNL) 0
腎・尿管結石経尿道的内視鏡手術(TUL)

16

尿管狭窄内視鏡手術 0
尿管ステント留置 38
腹腔鏡(その他) 腹腔鏡下内精静脈結紮術 0
腹腔鏡下尿膜管摘出術 0
膀胱 単純膀胱摘出術 0
腹腔鏡下膀胱全摘出術(LRC) 0
経尿道的膀胱腫瘍切除術(TRU-Bt) 43
膀胱(尿道)結石摘出術 4
前立腺 前立腺レーザー治療(PVP) 0
腹腔鏡下小切開前立腺全摘出術 0
前立腺・経尿道的切除術(TUR-P) 4
前立腺・被膜下摘出術 0
前立腺生検

33

陰嚢内容・尿道・陰茎 精巣悪性腫瘍手術

0

精巣摘出術 1
陰嚢水腫根治術 1
尿道狭窄内視鏡手術・バルン拡張 2
包茎手術 2
コンジローマ焼灼術 5
その他 10
合計 178

患者さまへのメッセージ

個々の患者さんを治療するに当たっては、当然その医師の技術と特に最近ではいかに良い医療機器を備えこれを利用するかが重要となっております。しかしながら医療というものは機械で部品を修理するようなものではありません。いくらよい医療道具と技術(skill)があっても、それを扱う人間に熱意や誠実さがなければ、その機能が十分に発揮されるわけもありません。要は人の問題であり、患者さんと医師を含めた病院のすべてのスタッフとの人と人のふれあいやお互いのコミュニケーション、信頼関係があっての話です。大切なことは真摯に患者さんに向き合いお互いに良い関係を保ち、実直に熱意をもって医療を行うことであり、その結果が医師や現場のスタッフの力量を最大限に発揮し、患者さんには最もよい医療を提供できるものと考えております。私たちはそうあるべきよう日々に努力を重ねております。どうか本院を信頼されて受診をされますよう心よりお願い申し上げます。

Q&A(その他のご質問に対しての詳しいお答え)

研究業績

【研究業績】

【排尿ケアチーム】

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