入院する診断群分類別包括評価方式(DPC)について
『診断群分類別包括評価方式(DPC)』について
大阪市立十三市民病院では、『診断群分類別包括評価方式(DPC)』による入院費用の請求を行っております。 これは、入院患者様の病気・症状ごとに、治療に要する費用の一部を「1日あたりの定額」として設定し(国により定められています)、それを基にして入院医療費を計算する制度です。
その他、ご不明な点等がございましたら「入退院受付」担当者までお問い合わせ下さい。
参考
DPCでの包括請求と出来高請求の主な違い
DPCでは、ほとんどの診療行為が包括されて定額となりますが、包括される項目であっても、一部出来高で算定するものがあります。次表に主要な項目を掲載しています。
診療区分 | 包括請求される診療内容 | 包括されず出来高請求となる診療内容 |
---|---|---|
入院基本料 | 入院基本料 特定入院料の一部 |
初診料 入院基本料加算の一部 特定入院料の一部(加算扱い分) |
指導・在宅 | ― | 指導管理料、指導用薬剤、材料 在宅医療、診療情報提供(紹介状) |
検査 | 右記を除く検査 検査用薬剤・材料 |
心臓カテーテル、内視鏡検査 診断穿刺・検体採取料 |
画像診断 | 右記を除く検査 検査用薬剤・材料 |
選択的動脈造影カテーテル手技 画像診断管理加算 |
投薬、注射 | 右記を除く投薬・注射 | 退院時に処方される投薬・注射 |
リハビリ | リハビリで使用する薬剤 | リハビリ |
処置 | 右記を除く処置 処置用薬剤・材料 |
基本点数が、1,000点以上の処置 |
手術、麻酔 | ― | 手術、輸血、麻酔の手技、薬剤、材料 |
診療区分 | 包括請求される診療内容 | 包括されず出来高請求となる診療内容 |
病理 | ― | 病理診断、病理学的検査診断 |
食事 | ― | 食事療法(食事代) |
その他 | ― | 室料差額、診断書等の文書料など |
DPCでの医療費の計算式
- 入院医療費 =
- 1日当たりの包括診療費×入院日数×医療機関別係数
+出来高診療費+食事療養費・室料差額等
※医療機関別係数とは、病院の機能に応じて病院ごとに定められる一定の係数です。
DPCに関するQ&A
- Q1 DPC制度とはどういうものですか?
-
A1これまでの入院での会計は「出来高払い方式」と呼ばれ、診察や検査、注射、お薬など患者さんに対して行なった診療行為ごとに、その価格を積み上げて計算するものでした。これに対して、DPC(診断群分類包括評価)とは、病名や診療内容に応じて分類されたもの(診断群分類)のうち、厚生労働省があらかじめ定めた1日あたりの定額の医療費(包括診療費)を基本として、医療費を計算する「包括払い方式」です。
DPCでは、病名や手術、処置などの内容に応じた1日あたりの点数が決められており、投薬、注射、検査などの診療行為は、その決まった点数に包括されています。したがいまして、投薬、注射、検査などの診療行為を多く行なう必要がある日があっても、1日あたりの医療費(包括診療費)は変わりません。
ただし、手術、麻酔、放射線治療、リハビリ、一部の処置・検査(胃カメラ等)などの医師の専門的な技術を必要とする分野は包括されず、「出来高払い方式」で計算されますので、入院にかかる医療費は、「包括部分」と「出来高部分」を合わせた物になります。 - Q2 入院したすべての患者さんが、対象になるのですか?
-
A2当院に入院される患者さんは、原則すべての方が対象になりますが、病名が「診断群分類」のいずれにも該当しないと主治医が判断した場合は、これまでどおり「出来高払い方式」となります。
なお、DPCでは、診断群分類ごとに特定入院期間(包括の期間)が定められており、この入院期間を超えた後からは出来高算定に切り替わります。
また、次に掲げる方も従来どおりの「出来高払い方式」となります。- 治験の対象となる患者さん
- 入院後24時間以内に死亡された患者さん
- 生後7日以内に死亡された新生児の患者さん
- 労災保険や公務災害が適用される患者さん
- 交通事故などで自費扱いとされる患者さん
- 高度先進医療の対象となっている患者さん
- その他厚生労働大臣が定める手術を受ける患者さん
- Q3 入院費はこれまでと比較して、高くなりますか?安くなりますか?
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A3DPCでは、入院中に患者さんが治療された病名(診断群分類)によって、入院1日当たりの医療費が決まります。したがいまして、同じ病名であっても従来の方式と比べて高くなる場合もあれば、安くなる場合もあります。
- Q4 いつから「DPC」による計算方法になりますか?
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A4DPCでは、入院での病気の分類は、1つの病名で決定されることになっています。入院当初から病名が確定されて退院まで変更がない場合はいいのですが、入院当初に病名がはっきりしない場合などは疑い病名をつけ、検査や治療が進む中で病名が確定(変更)される場合があります。
この場合は、病名が確定した時点で入院初日までさかのぼって確定した病名で医療費の計算をやり直すこととなりますので、仮病名のまま入院の月がまたがった場合などで、すでに一部お支払いを済ませている場合は、退院時に過不足を調整させていただくことになります。
また、追加請求や返還などが退院後に発生する場合もありますのでご了承ください。 - Q5 食事の料金や個室料も包括されますか?
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A5食事の料金や個室料は、診療費とは別にこれまでどおり負担していただくことになります。
- Q6 医療費の支払い方法はどうなりますか?
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A6毎月1回月末に締め切り、月1回の請求となります。退院時の請求は、退院の際に請求させていただきます。
- Q7 高額療養費の扱いは、どうなりますか?
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A7これまでと変わりません。お支払いされた1か月分の医療費が自己負担限度額を超えた場合、超えた額が高額療養費として支給される扱いになります。
- Q8 特定疾患(公費)の扱いはどうなりますか?
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A8特定疾患の傷病が、入院の主たる治療目的である場合は、包括評価になっても公費適用になります。
- Q9 早く退院させられることは、ありませんか?
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A9入院・退院の判断は、医師が医学上の判断に基づいて行ないます。医療の必要があるにもかかわらず早く退院をお願いすることはありません。