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外科・消化器外科大腸がんについて
大腸がんについて外科豆知識
大腸は、小腸から続いて右下腹部から始まり肛門までの1.5~2mの臓器です。便の流れる順に盲腸→上行結腸→横行結腸→下行結腸→S状結腸→直腸と区分されます。盲腸からS状結腸までを結腸と呼びます。大腸の壁は内側から粘膜、粘膜下層、固有筋層、漿膜下層、漿膜の5層構造になっています。大腸癌は大腸粘膜から発生する悪性腫瘍です。粘膜がいきなりがん化する場合と良性のポリープががん化する場合があります。
2020年のがん患者数の推計では、結腸と直腸を合わせると、男性では肺についで2位、女性では乳腺を凌いで1位です。
大腸の区分
早期がんと進行がん
大腸がんは、早期がん:粘膜下層までの浸潤、進行がん:筋層以上に浸潤に分けられます。
大腸がんの転移
胃がん同様、大腸早期がんはほとんど転移しませんが、進行するほど転移しやすくなります。転移様式には、
- リンパ行性転移:リンパ液の流れに乗ってリンパ節に転移する
- 血行性転移:血液の流れに乗って肝臓、肺などに転移する
- 腹膜播種:癌が大腸壁外に浸潤し、腹膜に散らばるように転移する
があります。
大腸がんのステージ
大腸癌では、がんの広がりの程度によってステージ(進行度)が分類されています。
- ステージ0:がんが粘膜内にとどまっている
- ステージⅠ:がんが固有筋層にとどまっている
- ステージⅡ:がんが固有筋層の外まで浸潤している
- ステージⅢ:リンパ節転移がある
- ステージⅣ:血行性転移や腹膜播種がある
大腸がんの症状
大腸早期がんでは、ほとんど症状はありません。進行すると、下血、血便、便秘・下痢、便が細くなる、貧血、腫瘤(しこり)、腹痛、腸閉塞などの症状がでます。
大腸がんの検査
大腸がんの検査には、
- 便潜血検査:症状がない検診時に便中の血液の混入を調べます
- 注腸検査:肛門からバリウムを注入して大腸をX線で写す検査です
- 大腸内視鏡検査:肛門から内視鏡を挿入して腸内を観察して組織を取ります
- CT検査:転移がないか調べます
などがあります。
大腸がんの治療
大腸がんの治療は、「大腸癌治療ガイドライン」に基づいて、以下の治療を組み合わせて行います。
- 内視鏡的切除:がんの浸潤が粘膜下層の浅いものまでは内視鏡で切除できます。
- 手術:がんが粘膜下層の深部以上に浸潤している場合はリンパ節転移の可能性があるため、腸とリンパ節を切除します。直腸癌は人工肛門になることがあります。最近では腹腔鏡下手術を行うことが多くなっています。
- 化学療法:手術後に再発予防で行う場合と転移のため手術で取り切れない場合に抗がん剤を使います
- 放射線療法:直腸がんの術後の再発抑制や術前の腫瘍の縮小を目的とした補助療法と、症状緩和や延命を目的とした緩和療法があります。