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小児科低身長について

低身長について

こどもにはそれぞれの個性があり、身長や発育も違います。発育のパターンもそれぞれで、ゆっくり伸びるこどももいますが、一方では早く身長が伸びてしまって、その後はあまり伸びずにいるこどももいます。このような個性豊かなこどもの発育の中で、病院で治療ができる低身長についてお話します。
お子さんの身長が気になる場合は、成長曲線を描いてみましょう。例えば母子手帳に添付されている成長曲線に各年齢での身長を書き入れてみましょう。成長曲線の正常域を大きく外れていなければ、通常はあまり問題ありません。しかし、平均身長との差が大きい場合や身長の伸びが悪くなっている場合には病気が原因のこともありますので、早めに小児科の医師に相談することをお勧めします。
こどもの身長が低い原因の多くは、ご両親も背が低いなどの遺伝や体質によるものです。しかし、なかには成長ホルモンなどの身長を伸ばすホルモンが出ていない場合や、まれですが、染色体や骨の病気によってお子様の身長が伸びない場合もあります。また、小さく生まれて、その後の身長があまり伸びないお子様もいます。これらの病気はそれほど多くはありませんが、早めに治療を受けることで身長が伸びます。

(1)成長ホルモンや甲状腺ホルモンの病気(成長ホルモン分泌不全性低身長症や甲状腺機能低下症など)

出産のときの仮死状態や事故などによる脳の外傷、脳腫瘍などで、脳の下垂体が障害をうけることがあります。そうすると、脳の下垂体から成長ホルモンが分泌されなくなり、その後の身長の伸びが悪くなって徐々に低身長がめだってきます。軽度の成長ホルモン分泌不全の場合には、はっきりした原因がなくても身長の伸びが悪くなることがあります。また、甲状腺ホルモンの分泌が不足したときにも身長の伸びが悪くなることがあります。これらの病気では、不足している成長ホルモンや甲状腺ホルモンなどを治療で補うことにより身長が伸びます。

(2)染色体の病気(ターナー症候群やプラダー・ウィリー症候群など)

合併症の問題もあります。ターナー症候群では、成長ホルモン治療や女性ホルモン治療を行います。
プラダー・ウィリー症候群は15番染色体の変異による病気で、一万人に一人くらいの割合でみられます。低身長だけでなく性腺の発育も悪く、乳幼児期には筋緊張の低下がみられ、肥満や発達障害などの症状もあります。成長ホルモン治療により、身長を伸ばすだけでなく筋力や体の代謝も改善します。

(3)子宮内発育不全(SGA性低身長症)

妊娠満期で生まれても身長や体重の小さいこどもや、早産で妊娠週数に比べて小さく生まれたこどもは子宮内発育不全と呼ばれます。子宮内発育不全で生まれたこどもの多くは3歳までに身長が伸びますが、身長の伸びがみられず、一定の条件を満たす場合には成長ホルモン治療を行うことがあります。

(4)骨や軟骨の病気(軟骨異栄養症)

骨や軟骨そのものの異常のために身長が伸びず、胴体にくらべて手足が短いなど、体のバランスに特徴がみられます。この病気は遺伝しますが、突然変異(ご家族に同じ病気がない)で、こどもだけに病気が見られることがよくあります。 このうちもっとも頻度が多い軟骨異栄養症では、身長を伸ばすために成長ホルモン治療や整形外科で骨延長術を行います。

(5)心臓・肝臓・腎臓などの臓器の異常

心臓、肝臓、消化器などの重要な臓器に病気があると体に十分な栄養を取り込むことができず、身長の伸びが悪くなります。また、低身長の検査でかくれていた臓器の病気がみつかることもあります。その場合は、臓器の病気の治療を行います。治療によって臓器がよくなれば、身長も伸びてきます。 小児慢性腎不全でも低身長となりますが、標準身長の-2.5SDを下回る場合は成長ホルモン治療を行います。
身長の伸びに関わる要因は、遺伝や体質、各種のホルモン、栄養などの他にも睡眠や運動、心理状態(愛情やストレス)などの環境要因があります。また、身長はよく伸びる時期とそうでない時期があり、男の子では声変り、女の子では月経が始まるとその後の身長の伸びはわずかになります。お子さんの低身長が心配な場合は、早めのご相談をお勧めします。

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