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十三市民病院 病院指標令和5年度病院情報の公表

 

医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省)

はじめに

当院は、全国初の新型コロナウイルス感染症の専門病院として、一般診療に大幅な制限を設け、COVID-19の軽症・中等症患者の入院診療を行ってまいりました。

令和5年度につきましても、令和5年5月8日付で新型コロナウイルス感染症が感染症法上の位置づけが2類から5類へ移行するまでは、5病棟のうち3病棟を新型コロナウイルス感染症患者の専用病棟として、急性期医療については一定の制限を継続しつつ、残り2病棟のみで一般診療を行ってまいりました。

5類へ移行後、当院の医療機能は回復傾向にはあるものの、大幅な制限を3年以上設けていた影響は大きく、新型コロナウイルス感染症流行前の令和元年度の水準には程遠い状況です。

以上を踏まえまして、令和5年度については、令和2~4年度に続き、症例数が10症例未満(「-」表示)の標記が多くなっておりますこと、ご理解頂きますようお願い申し上げます。

指標の定義

(1)対象患者
 ●「病院指標」については、令和5年度(令和5年4月1日~令和6年3月31日)に退院された患者さまを対象としています。
 ●「医療の質指標」については、令和5年度(令和5年4月1日~令和6年3月31日)に当院で診療を受けた入院・外来患者さまを対象としています。

(2)除外する患者  
 ●自動車賠償責任保険や労災保険、自費等の患者さま
 ●入院後、24時間以内に死亡した患者さま、又は生後1週間以内に死亡した新生児の患者さま
 ●臓器移植の患者さま
 ●歯科治療のため入院された患者さま
 ●結核病棟のみに入院された患者さま

(3)その他留意事項
 ●平均年齢:入院日時点の年齢を基準としています。
 ●患者数が10未満の場合は、特定の個人を容易に想定できる可能性があるため、「-」(ハイフン)で掲載しています。

令和5年度 十三市民病院 病院指標

年齢階級別退院患者数

【定義】
⁻ 当院の一般病棟を退院された患者さまの年齢階級別(10歳刻み)患者数。

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年齢区分0~10~20~30~40~50~60~70~80~90~
患者数 186 30 119 173 159 213 262 506 430 104

・令和5年度は、COVID-19対応に伴う診療制限の緩和により、前年度と比較して患者数が約37%増加していますが、COVID-19流行前の令和元年度と比較すると、大幅に減少(約54%減)した状態となっています。
・60歳以上の高齢の患者さまは全体の約60%を占めており、高齢者の割合が高くなっています。
・周産期医療を手掛ける当院では新生児の入院も多いため、10歳未満の患者さまも一定数います(約9%)

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

【定義】
⁻ 入院患者数が10名以上の診断群分類(DPCコード)が存在する診療科を集計対象とする。

⁻ 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、診断群分類(DPCコード)が存在していないため、本集計からは除外される。

⁻ 10名以上の診断群分類が存在していなかった下記の診療科については、本集計の対象外とする。
 <総合診療科/循環器内科/感染症内科/呼吸器内科/耳鼻咽喉科>

⁻ 診断群分類(DPCコード):入院中に「主に治療された病名」と「行われた治療行為(手術、処置等)」等の組み合わせにより患者を分類するもの。

⁻ 集計方法:集計期間内に同一患者が複数回入退院した場合は、その都度1カウントとする。転科した場合、もしくは同じ疾患を複数診療科で治療を行った場合は、主たる診療科にて集計する。

⁻ 平均在院日数(全国):同じ診断群分類での全国すべての病院での在院日数(令和5年度実績)。

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■糖尿病・内分泌内科

 DPCコードDPC名称


者数

平均在院日数
(自院)
平均在院日数
(全国)
転院率

平均年齢

患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(インスリン製剤あり) 64 13.70 13.99 1.56 67.78  
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症(手術なし) 13 19.08 13.52 7.69 74.92  
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎(手術なし) 11 29.27 20.60 18.18 88.00  
0400801499x001 肺炎等(市中肺炎 / 75歳以上 / A-DROPスコア1) - - 13.88 - -  
10007xxxxxx0xx 2型糖尿病(インスリン製剤なし) - - 10.66 - -  

・令和5年度は、COVID-19対応のための診療制限が緩和され、令和元年度よりも医師数が増加した影響により、入院症例数が増加しました。
・例年通り『2型糖尿病』に対する治療が最も多くなっており、患者数は前年度から倍増しました。
・糖尿病・内分泌内科では、糖尿病の正確な病態把握を行い、日本糖尿病学会専門医2名を含む常勤医師5名ならびに糖尿病看護認定看護師、糖尿病療養指導士等の多職種による糖尿病ケアチームが中心となり、個々の患者さまに合った良質な血糖コントロールと合併症の進展予防に努めています。
・高齢の糖尿病患者さまがかかりやすい尿路感染症等の糖尿病に起因する疾患にも、対応しています。
・糖尿病の教育入院(1週間コース)や糖尿病教室、フットケア外来、透析予防指導、食事指導等も積極的に実施し、糖尿病に対してのトータルケアを行っています。

 
■小児科

 DPCコードDPC名称


者数

平均在院日数
(自院)
平均在院日数
(全国)
転院率

平均年齢

患者用パス
140010x199x0xx

妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上)

114 7.83 6.07 0.00 0.00  
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(1500g~2499g) 20 9.70 11.01 0.00 0.00  
0400801199x00x 肺炎等(1歳~14歳) 10 4.80 5.62 0.00 3.90  
140010x197x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上 / 新生児仮死蘇生術等) - - 8.19 - -  
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症 - - 5.96 - -  

 ・当院では、COVID-19対応により休止していた分娩を令和4年6月に再開し、それに伴い、小児科の入院受け入れも再開しました。再開初年度の令和4年度と比べると、令和5年度の各症例数は増加していますが、年間500例ほどの分娩を行っていた令和元年度と比較すると、依然として大きく減少しています。
・令和5年度は、『妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害』に分類される新生児疾患(羊水感染症や帝切児症候群など)が上位となっています。
・日本小児科学会専門医2名を含む3名の常勤医師体制で対応しております。
・新生児から思春期頃(出生~小学生)までの呼吸器感染症や腸管感染症、川崎病などの急性疾患を含む小児科疾患全般についての診断、治療、フォローアップに対応しています。


■消化器内科

 DPCコードDPC名称


者 数

平均在院日数
(自院)
平均在院日数
(全国)
転院率

平均年齢

患者用パス
060100xx01xxxx

大腸ポリープ等(内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術等)

113 2.19 2.61 0 66.42  
060340xx03x00x 胆管結石、胆管炎(内視鏡的胆道ステント留置術等) 18 12.83 8.75 0 74.00  
060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患(手術なし) 16 8.38 7.58 0 59.56  
060100xx99xxxx 大腸ポリープ等(手術なし) 15 2.67 3.00 0 69.80  
060380xxxxx0xx

ウイルス性腸炎

12 4.58 5.64 0 52.08  

・令和5年度は、大腸ポリープ切除症例が例年同様、最も多くなっており、症例数も前年度から増加しています。内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(EMR)は、コールドスネアポリペクトミーを導入し、患者さまのニーズに対応するために外来での日帰り対応を積極的に取り入れています。令和5年度は6割以上を外来で対応いたしました。(外来での日帰り対応の症例は、本集計には反映されません)
・その他は、胆管炎や憩室性疾患等の症例が上位となっています。冒頭の理由により、令和元年度と比べると各症例数は減少しています。
・日本消化器病学会専門医6名を含む常勤医師7名(病院長含む)体制で診療を行っております。
・内視鏡センターにおいては、消化器内科医と外科医とが一体となったチーム医療を実施し、悪性疾患を中心として消化器疾患全般に対して、精度の高い検査・治療を提供しております。
・急性期、慢性期を問わず消化管ならびに肝胆膵疾患全般に迅速かつ正確な対応を行えるよう心掛けております。
・肝臓病に関しては、肝臓病専門医がウイルス性肝炎・肝細胞癌に対する最新治療を実施しています。

 

■外科

 DPCコードDPC名称


者数

平均在院日数
(自院)
平均在院日数
(全国)
転院率

平均年齢

患者用パス
060160x001xxxx

鼠径ヘルニア(15歳以上 / 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術等)

44 4.75 4.55 2.27 68.39  
060335xx02000x 胆嚢炎等(腹腔鏡下胆嚢摘出術等) 21 6.81 6.87 0.00 60.38  
060241xx97xxxx 痔核(痔核手術等) 18 3.78 5.41 0.00 67.33  
060150xx03xxxx 虫垂炎(虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの)等) 11 5.36 5.29 0.00 49.55  
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢摘出術等) 11 6.09 5.98 0.00 57.55  

・令和5年度は、前年度と同様に、鼠経ヘルニア、胆囊炎ならびに痔核などに対する入院治療が上位となっています。各症例数は前年度と同水準であり、冒頭の理由により、令和元年度と比べると減少しています。
・当院は、令和2年4月より大阪府のがん診療拠点病院の認可を受けました。外科では、胃がんや大腸がん、肝臓がん、膵がん等の消化器系の疾患や乳がんに対して、手術や化学療法など患者さまの状態に応じた適切な治療を行っております。
・外科では、腹腔鏡手術を積極的に行い、患者さまに優しい、できるだけ小さな傷による低浸襲な手術を実施することで、早期に回復・社会復帰できるよう努めています。
・常勤医師4名のうち3名が日本消化器外科学会専門医であり、うち1名は日本内視鏡外科学会技術認定医の資格も有しており、専門性の高い手術を施行しております。
・消化器内科と密に連携し、早期に診断・治療を開始し、患者さまに応じた手術治療や抗がん剤治療を施行しております。


■整形外科

 DPCコードDPC名称


者数

平均在院日数
(自院)
平均在院日数
(全国)
転院率

平均年齢

患者用パス
160760xx97xx0x 前腕の骨折 (骨折観血的手術等) 25 5.24 4.76 4.00 60.16  
070230xx01xxxx 膝関節症(人工関節置換術等) 24 22.21 21.96 4.17 76.67  
070343xx97x0xx 腰部の脊柱管狭窄等(椎弓形成術等) 19 14.32 15.66 0.00 74.05  
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折(人工骨頭挿入術等)

18

26.28

25.50

61.11 85.56  
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(人工関節置換術等) 17 22.06 19.55 11.73 71.00  
・冒頭の理由により、令和元年度と比べると患者数は減少していますが、前年度からは増加しております。
・前腕骨折の手術症例は、令和4年度は上位5位に入っていませんでしたが、令和5年度は大きく伸び、最も多い症例となりました。
・次いで、膝関節症、脊柱管狭窄、大腿近位骨折、股関節症等に対する治療が、前年度と同様に上位となっています。大腿近位骨折の場合は、急性期治療後の専門的なリハビリテーションが重要なため、転院先での医療計画までを含めた診療計画(地域連携パス)を予め策定しています。そのため、転院率が高くなっています。
・5名の常勤医師体制で、関節外科・脊椎外科・外傷・手の外科を中心とした診療を行っております。

 
■泌尿器科

 DPCコードDPC名称


者数

平均在院日数
(自院)
平均在院日数
(全国)
転院率

平均年齢

患者用パス
110080xx991xxx 前立腺がん(前立腺針生検法) 29 2.86 2.44 0.00 76.59  
11012xxx03xxxx 上部尿路疾患(体外衝撃波腎・尿管結石破砕術) 28 2.21 2.43 0.00 59.43  
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍(経尿道的膀胱悪性腫瘍手術) 21 6.57 6.85 0.00 78.62  
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症(手術なし) 12 9.67 13.52 0.00 76.83  
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患(経尿道的尿路結石除去術) 11 6.91 5.22 0.00 65.00  
・令和5年度は、前年度と同様に前立腺がんや上部尿路疾患、膀胱腫瘍に対する検査や治療が上位となっています。冒頭の理由により、令和元年度と比べると患者数は減少していますが、前年度からは増加しております。
・泌尿器科では、3名の常勤医師が診療を行っております。いずれも日本泌尿器科学会の専門医・指導医資格を有し、専門性の高い診断・治療を提供しております。
・尿路結石症に対する経尿道的尿路結石除去術や体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(ESWL)、悪性腫瘍症例(腎臓がん、膀胱がんや前立腺がん等)に対する手術や化学療法など、患者さまの状態に応じた専門的な治療を行っております。


■産科

 DPCコードDPC名称


者数

平均在院日数
(自院)
平均在院日数
(全国)
転院率

平均年齢

患者用パス
120260x001xxxx 分娩の異常(帝王切開術等 / 出血量2000mL未満) 22 9.41 9.31 0.00 30.91  
120140xxxxxxxx 流産 20 1.80 2.43 0.00 33.65  
120170x199xxxx 早産、切迫早産(34週未満) 16 25.50 20.10 18.75 29.69  
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常(帝王切開術等) 12 8.92 9.34 0.00 30.17  
120200xx99xxxx 妊娠中の糖尿病(手術なし) 10 6.60 5.10 0.00 33.80  
・COVID-19対応により、当院では周産期医療を令和2年5月から休止していましたが、令和3年12月に産科外来を再開し、令和4年6月に分娩を再開しました。そのため、令和5年度は、全ての症例数が令和元年度と比べて減少しているものの、前年度と比較すると増加しています。
・産科では、帝王切開術を要する疾患ならびに妊娠に起因する合併症に対する治療を多く取り扱っております。
・集計対象外となる正常分娩も含んだ分娩件数は、令和5年度は202件となっています。
・当院は、大阪市では唯一UNICEF・WHOから『赤ちゃんにやさしい病院』の認定を受けていました(※COVID-19対応により分娩を休止していたため、認定は現在保留中)。母乳で育てたいお母さんを妊娠中だけでなく、産後も助産師による母乳育児外来を通じて母乳育児を支援しています。
・出生前診断については、臨床遺伝専門医によるカウンセリングを適宜行っています。

 
■婦人科

 DPCコードDPC名称


者数

平均在院日数
(自院)
平均在院日数
(全国)
転院率

平均年齢

患者用パス
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍(腹腔鏡下子宮附属器腫瘍摘出術等) 29 6.03 6.00 0.00 45.38  
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍(腹腔鏡下子宮筋腫摘出術等) 22 5.41 5.93 0.00 48.55  
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部がん(子宮頸部切除術等) 16 3.00 2.96 0.00 37.31  
12002xxx01x0xx 子宮頸・体部がん(腹腔鏡下腟式子宮全摘術等) - - 10.10 - -  
12002xxx99x40x 子宮頸・体部がん(化学療法あり) - - 4.18 - -  
・婦人科では、良性腫瘍疾患(卵巣腫瘍、子宮筋腫等)や悪性腫瘍疾患(子宮頚部がん、子宮体がん等)に対する手術等の治療を必要とする入院症例が上位となっています。悪性腫瘍疾患については、化学療法も実施しております。各症例数は、冒頭の理由により令和元年度と比べると減少しているものの、前年度からは増加傾向にあります。
・日本婦人科腫瘍学会専門医を含む5名の常勤医師体制で対応しております。
・婦人科系の様々な症状に対応しており、症状に対してじっくりお話を聞きながら、丁寧な診察と検査を行っています。

 
■眼科

 DPCコードDPC名称


者数

平均在院日数
(自院)
平均在院日数
(全国)
転院率

平均年齢

患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患(水晶体再建術等 / 片眼) 87 4.14 2.54 0.00 74.69  
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患(水晶体再建術等 / 両眼) 43 8.58 4.46 0.00 80.26  
020210xx01x0xx 網膜血管閉塞症(増殖性硝子体網膜症手術) - - 8.60 - -  
020220xx97xxx0 緑内障(緑内障手術等 / 片眼) - - 4.82 - -  
020240xx97xxx0 硝子体疾患(硝子体茎顕微鏡下離断術等 / 片眼) - - 4.88 - -  
・眼科では、例年と同じく、白内障の手術症例が上位となっています。白内障症例は前年度から増加していますが、冒頭の理由や医師数の減少により、令和元年度と比べると大きく減少しています。当院の白内障患者さまは全身合併症を伴う患者さまが多く、入院手術での対応となっております。
・2名の常勤医師ならびに眼科専属のスタッフ体制、様々な処置・検査設備を整えており、白内障をはじめとして、緑内障、網膜疾患など、眼科疾患全般の幅広い診療を行っています。
・白内障の小切開超音波手術をはじめ、外来でのレーザー治療等への対応も行っております。

 

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

【定義】
⁻ 現在、日本で最も多い5大癌の患者数を、UICC病期分類の初発・再発別に集計。

⁻ 5大癌:胃癌・大腸癌・乳癌・肺癌・肝癌

⁻ 初発患者は、UICC病期分類によりStageごとに分けて集計(Stage0は集計対象外)
  ・ 初発:当院で癌と診断した場合、または当院で癌に対して初回治療をおこなった症例。
  ・ UICC病期分類:腫瘍の大きさ・リンパ節の転移の有無・他の臓器や組織への転移の有無という3つの基準を元に、 StageⅠ(早期)からⅣ(末期)の4つの病期に分類するもの。
  ・ 詳細な検査を実施できなかった場合等、病気分類が不正確なものについては「不明」としてカウント。

⁻ 再発:初回治療の終了後(他施設での治療を含む)、当院で治療を継続した場合、または癌の再発・転移が認められた症例。

⁻  患者数は延患者数とする(化学療法等入退院を繰り返す場合は、それぞれを集計する)。

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 初発再発病期分類
基準(※)
版数
Stage IStage IIStage IIIStage IV不明
胃癌 - - - - - - 1 8
大腸癌 12 - 12 11 - 10 1 8
乳癌 - - - -     1 8
肺癌 - - - - - - 1 8
肝癌 - - - - - 13 1 8

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

・現在の社会情勢で重点的な対応を求められている生活習慣病の一つである“がん”、その中でも特に罹患率の高い5大癌に対する当院の対応状況を示しています。
・令和2年4月1日から「大阪府がん診療拠点病院」に認定された当院では、検診~診断~治療~終末期に至る集学的ながん医療を提供しています。
・がんの早期発見・がん予防への貢献のために、大阪市の委託を受けてがん検診を行っています(肺がん、胃がん、大腸がん、子宮頸がん、乳がん、前立腺がん)。
・診断・治療については、手術による外科的治療をはじめとして、抗がん剤による薬物療法などがんの進行度や患者さまの状態や生活環境に合わせた治療法を選択し総合的に管理しています。
・また、医師ならびに看護師、薬剤師等の多職種による緩和ケアチーム活動をしており、治療が困難とされたがん患者さまの精神的・身体的苦痛を和らげる緩和ケア治療の体制も整えています。
・COVID-19の入院患者対応に伴い一般入院診療や外来での初診患者の受け入れを制限、各種検診を全面休止した影響により、令和2年度以降はがん患者数が大幅に減少しました。令和5年度は診療制限を緩和し、大腸がんを中心に患者数は回復傾向にあるものの、10症例未満となっている項目は依然として多くなっています。しかしながら、当院では5大癌全ての診療を実施しています。
・「胃癌」・「大腸癌」については、早期~末期のがんまで、幅広く対応しています。
・「肺癌」は、緩和ケアや化学療法による治療を主に行っています。
・「乳癌」は、乳腺専門外来を設けて専門医による診察・治療を行っています。手術では乳房温存手術を積極的に行い、薬物療法も行っています。
・「肝癌」は再発例が最多となっています。肝がんの病態に合わせて、その都度最適と思われる治療法を提示するように努めています。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

【定義】
⁻ 市中肺炎:病院外で日常生活を送っていた人に発症した肺炎
   ※入院のきっかけとなった病名及び最も医療資源を投入した傷病名が肺炎(誤嚥性肺炎、インフルエンザ肺炎、ウイルス性肺炎を除く) であって、市中肺炎(入院後発症の肺炎を除く)の患者さまの当院の対応状況を示す。

⁻ 重症度:身体所見、年齢による肺炎の重症度分類(A-DROPスコア)により、年齢性別や脱水症状の有無、血液中の酸素濃度、 意識障害の有無、収縮期血圧の状態で0~5または不明に分類(数字が大きいほど重症)。
    ・ 軽症:0点の場合
    ・ 中等症:1~2点の場合
    ・ 重症:3点の場合
    ・ 超重症:4~5点の場合(ただし、ショックがあれば1項目のみでも超重症とする)
    ・ 不明:重症度分類の各因子が1つでも不明な場合


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 患者数平均
在院日数
平均年齢
軽症 13 6.31 42.00
中等症 22 12.32 73.55
重症 - - -
超重症 - - -
不明 - - -

・当院では、中等症の肺炎患者さまが最も多くなっています。重症度が高くなるほど在院期間は長め、平均年齢は高めという傾向になっています。
・令和2年度以降はCOVID-19の入院患者対応に伴い、一般入院診療の制限を続けていた影響により、令和4年度までの市中肺炎の患者数は、全て10症例未満となっていました。令和5年度は診療制限緩和により受入患者数が増加したものの、令和元年度以前の年間約100名と比べると、半数程度となっています。

脳梗塞の患者数等

【定義】
⁻ 医療資源を最も投入した傷病名が、“脳梗塞”の患者さまに対しての当院の対応状況。

⁻ 脳梗塞治療では迅速に治療を行うことがその後の患者さまのADL(日常生活動作)に大きな影響を与える。
  そのため、発症日から「3日以内」と「その他」で分類された患者さまの集計結果を示す。

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発症日から患者数平均在院日数平均年齢転院率
3日以内 - - - -
その他 - - - -

・当院は脳神経外科を標榜しておりませんので、外科的治療が必要な患者さまは、入院後早期に他院へ転院して頂き、内科的治療適応の方が長期の治療を行う場合があります。また、近隣の脳神経外科や神経内科を標榜する病院と連携を強化することで、入院前に他院へ紹介等を行っております。
・令和5年度の当院での脳梗塞症例は、前年度同様10症例未満となっております。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

【定義】
⁻ 入院での手術症例が対象。

⁻ 10名以上の手術症例が存在していなかった下記の診療科については、本集計の対象外とする。
<総合診療科/糖尿病・内分泌内科/循環器内科/感染症内科/呼吸器内科/耳鼻咽喉科>

⁻ 入院中に複数の手術を実施した場合は、主たる手術のみを集計。

⁻ 輸血関連、軽微な手術(創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術等)は除外。

⁻ 「術前日数」は入院日から手術日まで(手術当日は含まない)、「術後日数」は手術日から退院日まで(手術当日は含まない)とする。

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小児科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度のもの) 12 0.00 7.67 0.00 0.00  
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度のもの) - - - - -  
- - - - - - -  
- - - - - - -  
- - - - - - -  

・COVID-19対応による周産期医療の休止により、令和2~4年度は小児科で10症例以上の手術がありませんでしたが、分娩再開に伴い、当科の手術症例も増加しました。

・令和5年度は、『新生児仮死蘇生術(仮死第1度のもの)』が最も多くなっています。

・新生児仮死とは、出生時の赤ちゃんが呼吸循環不全状態に陥ることで、ぐったりして呼吸をしていない、手足を動かしていないといった症状があります。【アプガースコア】と呼ばれる採点表で出生時の皮膚の色や心拍数、呼吸状態などを点数化し、重症度が評価されます。仮死第1度が軽度、仮死第2度が重度となっています。


消化器内科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 117 0.79 1.54 0.85 67.75  
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル以上) 15 013 1.00 0.00 63.80  
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 15 4.60 15.73 0.00 76.27  
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -  
K697-32ロ 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として)(2センチメートルを超えるもの)(その他のもの) - - - - -  

・令和5年度は、冒頭の理由や外来での日帰り手術対応の増加により、手術患者さまが令和元年度と比べて減少しているものの、前年度と比較すると増加傾向にあります。

・消化器内科では、例年通り、大腸ポリープや早期の癌を対象とした『内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(直径2センチメートル未満)』が最も多くなっています。『直径2センチメートル以上』のポリープも積極的に治療しています。当院ではコールドスネアポリペクトミーを導入し、患者さまのニーズに対応するために外来での日帰り対応を積極的に取り入れています。令和5年度は6割以上を外来で対応いたしました。(外来での日帰り対応の症例は、本集計には反映されません)

・次いで、胆管炎等に対する『内視鏡的胆道ステント留置術』が多くなっています。

・『内視鏡的消化管止血術』は消化管出血に対する手術です。『肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法』は肝がんに対する手術で、経皮的治療のため体への負担が少ない治療法です。

・当院の内視鏡センターでは、胃カメラ・大腸カメラは全例鎮静剤を用いた検査としております。検査中の苦痛を取り除くだけでなく、より精度の高い検査を行っております。

外科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 36 1.06 5.25 0.00 61.00  
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 35 1.00 2.97 2.86 65.26  
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 11 0.18 4.18 0.00 49.55  
K719-3  腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 11 4.27 10.73 0.00 67.82  
K7432 痔核手術(脱肛を含む。)(硬化療法(四段階注射法によるもの)) 10 0.00 1.00 0.00 65.20  

・令和5年度は、冒頭の理由により、全ての手術患者さまが令和元年度と比べて減少しているものの、前年度と比較すると増加傾向にあります。
・外科では、胆のう炎や胆のう結石症等に対して行う『腹腔鏡下胆嚢摘出術』と鼠径ヘルニアに対して行う『腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術』が上位となっています。
・鼠径ヘルニアや胆石、虫垂炎には1つの創で行う『単孔式腹腔鏡下手術』を導入しており、それ以外にも、癌を含めた多くの腹部疾患に対して、適応を考慮しながら低侵襲な傷の小さい腹腔鏡手術を積極的に行っており、できるだけ早期に社会復帰できるよう支援しております。
・痔核手術については、痔核硬化療法(ALTA療法)の実施施設として登録されています。この手術は痔核を切り取る手術ではなく、痔核の痛みを感じない部分に注射をする方法です。術後に「傷口から出血する」、「傷口が痛む」ということはなく、1泊2日の短期入院となっています。
・外科疾患については、多くの症例がクリニカルパスを用いた標準治療を行っており、在院期間の短縮化に努めています。

整形外科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K0821 人工関節置換術(股、膝) 等 45 2.36 19.87 8.89 74.27  
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)(椎弓形成) 29 1.45 14.24 17.24 73.69  
K0462 骨折観血的手術(前腕、下腿) 等 29 1.52 7.28 6.90 65.24  
K0461 骨折観血的手術(上腕、大腿) 等 22 2.05 14.36 27.27 71.91  
K134-22 内視鏡下椎間板摘出(切除)術(後方摘出術) 14 1.86 5.86 0.00 48.93  

・令和5年度は、前年度よりも手術患者さまの数が増え、令和元年度と比べても9割以上の人数まで回復しました。
・整形外科では、関節・脊椎・骨折と広範囲に亘る領域に対応を行っております。
・症例数として最も多いのは、前年度と同様に、膝関節症や股関節症等に対して行われる『人工関節置換術(股、膝)等』となっています。
・次いで、脊柱管狭窄症等に対する手術である『椎弓形成術』が多くなっており、患者数は前年度の17名から29名へ大きく増加しています。
・3位・4位は、骨折に対する手術である『骨折観血的手術』となっています。5位の『内視鏡下椎間板摘出(切除)術』は、腰椎椎間板ヘルニア等に対する手術ですが、他の手術よりも比較的若い患者さまが多く、平均年齢が低くなっています。
・当院では、手術後早期にリハビリテーションを開始し、1日でも早く社会復帰できるようリハビリスタッフを中心とした治療を行っております。長期のリハビリ治療を必要とする患者さまについては、近隣のリハビリ専門施設と連携し、患者さまの病態や生活環境を踏まえた適切な療養環境の提供をご支援しております。

泌尿器科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 29 1.14 4.83 0.00 77.97  
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 29 0.03 1.48 0.00 60.41  
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 21 0.86 5.38 0.00 70.38  
K7811 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 15 1.20 4.93 0.00 63.67  
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用のもの) 12 1.00 8.92 0.00 76.92  

・令和5年度は、冒頭の理由により、全ての手術患者さまが令和元年度と比べて減少しています。

・泌尿器科では、令和元年度以降は内視鏡を用いて膀胱がんを切除する『膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)』が最も多くなっています。

・『体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(ESWL)』は前年度の12名から29名に増加しています。ESWLは、体外で発生させた強力な衝撃波で体内の結石を砕き、尿と共に排出させる安全性が高い手術で、入院期間も2~3日と短期になっています。

・次いで、尿管狭窄による水腎症等に対する『経尿道的尿管ステント留置術』や、尿管結石症等に対する『経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの)』、前立腺肥大症等に対する『経尿道的前立腺手術』が多くなっています。経尿道的尿路結石除去術は、ESWLが困難な症例に対して実施しており、内視鏡下でレーザーにより結石を砕き摘出する手術となっています。

・3名の常勤医すべてが、日本泌尿器科学会の専門医であり、うち1名は腹腔鏡手術技術認定医となっております。膀胱がんだけでなく腎がんや後腹膜腫瘍に対しての腹腔鏡手術や前立腺がんに対しての腹腔鏡補助下小切開前立腺切除などへの対応を行っています。

産科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 34 1.26 6.85 5.88 31.44  
K9091イ 流産手術(妊娠11週までの場合)(手動真空吸引法によるもの) 19 0.84 0.00 0.00 33.21  
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 13 3.15 5.46 23.08 34.38  
K9122 異所性妊娠手術(腹腔鏡によるもの) - - - - -  
K911 胞状奇胎除去術 - - - - -  

・COVID-19対応により、当院では周産期医療を令和2年5月から休止していましたが、令和3年12月に産科外来を再開し、令和4年6月に分娩を再開しました。そのため、令和5年度は、全ての手術患者さまが令和元年度と比べて減少しているものの、前年度と比較すると増加しています。

・産科では、『帝王切開術』の対応件数が多くなっています。

・緊急帝王切開については、昼夜を問わず、産科医2名・小児科医1名・麻酔科医1名の体制で対応しています。

婦人科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡によるもの) 29 0.97 4.07 0.00 45.38  
K867 子宮頸部(腟部)切除術 16 1.00 1.00 0.00 37.31  
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 12 1.00 5.00 0.00 49.92  
K8732  子宮鏡下子宮筋腫摘出術(その他のもの) - - - - -  
K872-32 子宮内膜ポリープ切除術(その他のもの) 等 - - - - -  

・令和5年度は、冒頭の理由により、全ての手術患者さまが令和元年度と比べて減少しているものの、前年度と比較すると増加しています。

・婦人科では、前年度は子宮筋腫等に対して行われる『腹腔鏡下腟式子宮全摘術』が最も多くなっていますが、今年度は卵巣のう腫等の卵巣の良性腫瘍に対して行われる『腹腔鏡下子宮附属器腫瘍摘出術』が最も多くなっています。患者数も、前年度の10名未満から29名へと大幅に増加しています。

・2番目に多い『子宮頸部(腟部)切除術』は、子宮頸がんの前段階である子宮頸部異形成を取り除く手術です。

・常勤医師5名(うち3名は女性医師)体制で対応し、良性疾患を中心とした傷の小さい低侵襲手術を心掛けており、悪性疾患(がん)についても、日本婦人科腫瘍学会の専門医資格を有する医師を中心として、積極的に治療に取り組んでいます。

・検査・診断結果をもとに患者さまの身体的、心理的な負担を軽減するための丁寧な診療を行っています。

眼科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 130 2.15 2.46 0.00 76.45  
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの) - - - - -  
K2682ロ 緑内障手術(流出路再建術)(その他のもの) - - - - -  
K281 増殖性硝子体網膜症手術 - - - - -  
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他のもの) - - - - -  

・令和5年度は、冒頭の理由により、全ての手術患者さまが令和元年度と比べて減少していますが、前年度と比べると増加傾向にあります。

・眼科では、例年と同様に、白内障に対して行われる『水晶体再建術』が最も多くなっています。患者数は、前年度の112名から130名に増加しました。

・白内障手術は、小切開超音波手術を主に行っております。総合病院である当院では、全身合併症を有する患者さまが多く来院されますので、入院での対応となっております。また、認知症や体位保持が困難な患者さまについては、全身麻酔下での手術を行っています。

・『硝子体茎顕微鏡下離断術』とは、網膜剥離や黄斑変性、糖尿病性網膜症や硝子体出血等に対して行われる手術です。

・高齢化社会の到来に伴い増加する、加齢による眼科疾患全般に対して手術を行っています。

 

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

【定義】
⁻ 手術や処置等の医療提供に伴い発症する可能性のある重篤な疾患の状況について示す。

⁻ DIC(播種性血管内凝固症候群)、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の患者数を集計。

    ・ 播種性血管内凝固症候群(DIC):さまざまな重症の基礎疾患により全身の血管内で血栓ができる病態
    (感染症、悪性腫瘍等に合併することが多い)
    ・ 敗血症:血液が細菌に感染することにより全身に炎症を起こす病気
    (悪性腫瘍等の治療経過中に免疫不全状態から合併することが多い)

⁻ 上記のような症状が、「医療資源を最も投入した病名」と「入院のきっかけとなった病名」が同一か異なるかで件数を集計。

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DPC傷病名入院契機症例数発生率
130100播種性血管内凝固症候群同一 - -
異なる - -
180010敗血症同一 - -
異なる - -
180035その他の真菌感染症同一 - -
異なる - -
180040手術・処置等の合併症同一 - -
異なる - -

・ここでは、手術や処置等の医療提供に伴い発症する可能性のある、重篤な疾患の状況について示しています。
・がんの手術を中心として大手術を多く実施する当院では、感染防止の専門の医療スタッフを配置し、感染予防に細心の注意を払っています。また、起こり得る合併症については、事前に患者さまにご説明した上で、手術や処置の施行に同意をいただいています。
・上記4疾患の患者さまが、退院患者さまに占める割合は合計で約1%となっています。当院では、いずれの状態の患者さまも発生することのない努力を日々行っておりますが、様々な要因が関与することもあり、ゼロにはできていないのが現状です。
・令和5年度は全てにおいて、前年度同様10症例未満となっております。

 

令和5年度 十三市民病院 医療の質指標

リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率

【定義】

(分母)
⁻ 入院時年齢が15歳以上で、肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した退院患者さまの人数。

    ※リスクレベルが「中」以上の手術は、「肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2017年改訂版)」(日本循環器学会等)に準じたもの

(分子)
⁻ 分母のうち、「肺血栓塞栓症予防管理料」の算定、または「抗凝固療法」の実施があった患者さまの人数。

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肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した退院患者数(分母)分母のうち、肺血栓塞栓症の予防対策が実施された患者数(分子)リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
446 435 97.53

・肺血栓塞栓症とは、足や腹部でできた血の塊(血栓)が、肺に行く血管で詰まる、命に関わる病気です。大きな手術後に、ベッドで長時間安静にしている際、発症しやすいと言われています。
・予防策としては、血液凝固を抑える薬の使用や弾性ストッキングの利用等があります。ただ、病状によってはこれらの対策を実施できない患者さまもおられます。令和5年度の予防対策実施率は97.53%となっており、ほとんどの患者さまに予防対策を実施できています。
・当院では、対象となる患者さまに予防策を講じることにより、すべての患者さまに安心して手術を受けて頂けるように努めております。

 

血液培養2セット実施率

【定義】

(分母)
⁻ 「細菌培養同定検査(血液)」を実施した入院および外来の患者さまの延べ日数。

(分子)
⁻ 分母のうち、「細菌培養同定検査(血液)」の実施件数が1日に2件以上ある日数。

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血液培養オーダー日数(分母)血液培養オーダーが1日に2件以上ある日数(分子)血液培養2セット実施率
433 318 73.44

・血液培養検査とは、通常無菌状態である血液を培養し、菌の有無や菌の種類を調べる検査です。感染症診断において非常に重要であり、迅速で正確な検査結果が求められます。血液培養検査実施時は、1セットで検出できない菌も多く、擬陽性による過剰治療を防ぐためにも2セット以上行うことが推奨されています。
・令和5年度の血液培養2セット実施率は、73.44%となっています。適切な感染症治療が行われているかを評価する上でとても重要な指標であり、当院においても2セット以上の実施を原則としております。ただし、感染を疑わないスクリーニング検査として1回のみ実施する場合もあります。

 

広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

【定義】

(分母)
⁻ 広域スペクトルの抗菌薬を処方された退院患者さまの人数。

(分子)
⁻ 分母のうち、入院日~抗菌薬処方日までの期間に、「細菌培養同定検査」の算定があった患者さまの人数。

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広域スペクトルの抗菌薬が 処方された退院患者数(分母)分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に細菌培養同定検査が実施された患者数(分子)広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
171 126 73.68

・感染が起こった場所から血液内に病原菌が入ると病原体が体中に広がり、菌血症や敗血症という重篤な感染症になります。それを防ぐためには、罹患後、速やかに病原体を特定し治療に効果的な抗菌薬を選択する必要があります。
・抗菌薬の不適切な使用は耐性菌の出現・蔓延につながることが知られており、より狭域の抗菌薬を特定するために、血液培養を行うことが望ましいとされており、実際にどれだけ行われているかを見るための指標です。
・令和5年度の細菌培養実施率は73.68%です。100%を目指して努力はしているものの、実施できていないことが一定数あるのが現状です。

 

更新履歴

令和6年9月27日  令和5年度 病院指標及び医療の質指標の公開

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