大阪市立総合医療センター,Osaka City General Hospital

TEL.06-6929-1221

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眼瞼下垂症

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眼瞼下垂症とは、一般的に、眼を開ける筋肉や膜が弱ることで、眼があきにくくなる病気です。しかしその病気の種類はさまざまあり重症筋無力症のような内科疾患が隠れていることや、肩こり、片頭痛などの自律神経症状を引き起こしていることもあり、きちんとした診断のもとに治療を行う必要があります。
心当たりのある方、お近くでおでこに深いしわのある方がいらっしゃいましたら、当院形成外科、眼瞼外来までご相談ください。

眼を開ける仕組み
目を開ける仕組み1 目を開ける仕組み2
目を開ける仕組み3 目を開ける仕組み4
目を開ける仕組み5 目を開ける仕組み6
眼瞼下垂症の種類
①腱膜がのびて緩んでいる場合(腱膜性弛緩性眼瞼下垂)

腱膜性弛緩性眼瞼下垂

挙筋の力が伝わらないので、おでこの筋肉(前頭筋)で瞼をあげようとします。このため、おでこに『しわ』がついてしまいます。
このような方の場合、おでこを手で押さえつけると、眼を開けることができなくなります。
また、筋肉センサーであるミュラー筋が強く収縮することで、体の変調をきたし、頭痛や、肩こりなどの周辺症状が出現することがあります。

②腱膜がはずれている場合(腱膜解離性眼瞼下垂)

腱膜解離性眼瞼下垂

おでこの力を使っても、ほとんど眼を開けることができず、足元がようやく見える程度です。通常この状態になると、片方の眼でようやく見えている程度で、日常生活への支障を生じます。

③まぶたがけいれんする場合(眼瞼痙攣)

眼瞼痙攣

眼をあけようとすると、目の周りの筋肉(眼輪筋)がぴくぴくとして眼が開けられなくなります。
眼を開けようとする信号と、眼をつぶろうとする信号(顔面神経)がうまく協力できず、強制的に眼をつぶってしまう病気です。
脳の中で(大脳基底核)おこる機能障害とされていますが、原因としては、腫瘍による圧迫、神経疾患による症状、薬剤による副作用などさまざまなものがあり、詳しく調べる必要があります。

④皮膚がたるんで瞳孔にかかる場合(皮膚弛緩性眼瞼下垂)

皮膚弛緩性眼瞼下垂

通称『三角眼』とよばれる状態で、主に目尻の部分でまぶたの皮膚が垂れ下がり、外側を見たい時に、カーテンのように皮膚が覆いかぶさり、視野の妨げとなります。
背景に、腱膜性の眼瞼下垂も隠れていることが多いです。

眼瞼下垂の程度

眼瞼下垂の程度

眼瞼下垂の症状、サイン

眼瞼下垂の症状

眼瞼下垂の症状

治療方法

基本的に、眼を開ける仕組みを作り直す手術を行います。すべての術式で局所麻酔での手術となります。日帰り、または、短期入院での手術が可能です。

手術の方法によって、手術時間や、術後の腫れがでる期間などが異なります。

手術前・手術後

手術前に瞳(瞳孔)にかぶさっていた瞼は上がり、丸い瞳が見えています。また、眉毛が無理に上げる必要がなくなり、自然な位置に戻っています。

余剰皮膚切除術

二重のラインで切開し、余った皮膚を切除する方法と、眉毛の下の皮膚を切除する方法があります。

二重ライン 眉毛下
手術時間(両側) 1.5-2.0時間 1.5-2.0時間
術後の腫れ具合と期間 強い・2-3週間 弱い・1-2週間
キズの見え具合 二重の底で見えない 眉毛の際でめだちにくい
外来手術 可(両側の場合は、短期入院をおすすめしています。)
二重の調整 不可

挙筋タッキング法、短縮法

緩んで伸びてしまったり、瞼板からはずれてしまった腱膜を再び、瞼板に戻す手術です。ミュラー筋の操作は、眼瞼けいれんの場合を除いて行わないようにしています。

挙筋タッキング法、短縮法

挙筋タッキング法、短縮法

二重ライン 眉毛下
手術時間(両側) 1.5-2.0時間 2-3時間
術後の腫れ具合と期間 強い・2-3週間 強い・2-3週間
キズの見え具合 二重の底で見えない 二重の底で見えない
外来手術 可(両側の場合は、短期入院をおすすめしています。) 可(両側の場合は、短期入院をおすすめしています。)
二重の調整
具体的な方針決定

具体的な手術法は各個人の眼瞼下垂の状況を詳しく検査し、どの部分に問題がある可能性があるかを検討の上、最適な治療法を提案しています。そのため、実際には、いくつかの治療法を同時に行うこともあります。

眼瞼下垂は、多くの人が最初は気が付かず、徐々に進行し中等度、重度になってから受診をされます。しかし、周囲を見渡せば、実は多くの人が眼瞼下垂の初期の状態にあります。知らず知らずのうちに、眼を開けるために、おでこに力をいれたり、余計な力がかかっていることがあります。眉毛の位置が少し高いなという方、おでこにしわのある方は、要注意です。
また、初期の眼瞼下垂の方で、片頭痛、肩こりがひどい方の場合、眼瞼下垂の手術を行うことでそういった症状が軽快することもよく経験されます。適切な時期に、適切な治療を行うことで、日常生活の質(Quality of Life: QOL)を改善につながればと、診療しております。
まずは、具体的な話しをきいていただき、ご理解を深めていただくことが肝要と考えています。ご遠慮なく主治医または、形成外科の外来へご相談ください。
なお、当院眼瞼外来を受診される場合には、当院形成外科眼瞼外来宛ての紹介状をご持参の上、地域医療連携室にてご予約をおとりください。

※写真の転写は禁止します。

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