小児・AYA世代のがん医療

当センターは国が指定した、全国15施設の小児がん拠点病院の1つです

小児がん拠点病院とは

小児がん拠点病院とは、小児がんの医療および支援を提供する地域(近隣都道府県を含む)の中心施設として、厚生労働大臣が指定した病院です。

子どもの病死原因の第1位である小児がんは、そのがんの種類の多様さとその為それぞれの患者数が少ないことが要因となり、全国の各病院での治療情報の集約が難しく、患者さんが適切な治療を受けられてない懸念がありました。 「拠点病院」の仕組みはその状況を打開するためとられたものです。

拠点病院に患者さんを集約し、質の高い医療を提供することで、患者さんとその家族が安心して治療に専念し、支援を受けられることを小児がん拠点病院は目指しており、地域における小児がん医療および支援の質の向上のけん引役を担っています。

現在、全国で15病院が指定を受けており、近畿ブロックでは次の4病院です。

  • 京都大学医学部附属病院(京都市左京区)
  • 京都府立医科大学附属病院(京都市上京区)
  • 大阪市立総合医療センター(大阪市都島区)
  • 兵庫県立こども病院(神戸市中央区)

厚生労働省 小児がん拠点病院等の一覧表 (PDF:57kb)

また、国に定められた指針に基づき、近畿ブロック小児がん医療提供体制協議会が定めた要件を満たす以下の病院を当院が連携する「小児がん連携病院」として指定し、役割分担及び連携を進め、生活する地域によらず患者さんのニーズに合った質の高い小児がん医療や支援が受けられる環境整備に努めています。 (類型1) 地域の小児がん診療を行う連携病院

  • 大阪大学医学部附属病院(大阪府吹田市)
  • 関西医科大学附属病院(大阪府枚方市)
  • 北野病院(大阪市北区)
  • 大阪赤十字病院(大阪市天王寺区)
  • 大阪公立大学医学部附属病院(大阪市阿倍野区)
  • 近畿大学病院(大阪府大阪狭山市)
  • 大阪母子医療センター(大阪府和泉市)
  • 奈良県立医科大学附属病院(奈良県橿原市)
  • 和歌山県立医科大学附属病院(和歌山県和歌山市)
  • 日本赤十字社 和歌山医療センター(和歌山県和歌山市)

(類型3) 小児がん患者等の長期の診療体制の強化のための連携病院

  • 兵庫医科大学病院(兵庫県西宮市)

これらの病院の情報については、国立成育医療研究センター 小児がん診療施設情報(近畿ブロック)をご参照ください。

当センターの特色

当センターは、「がん診療連携拠点病院」と「小児がん拠点病院」両方の指定を受けた、大学病院を除くと全国で唯一の病院です。
小児から成人まで幅広い年齢層に対して、がん診療を行っています。また、「がんゲノム医療連携病院」として、一人一人の遺伝子の変化に合わせた治療を行うためのがん遺伝子パネル検査行っています。
がん診療への取り組みとして、医師をはじめとする多職種によるチーム医療、療養環境の整備、地域医療機関との連携などを推進しています。

闘病する子どもたちに『治療を受けながらも、成長し続ける』ことを担保することを目指し、入院・通院中には子どもサポートチーム等による心身や学習面へのサポート、退院後にも長期フォローアップ外来による心身面の経過監査ならびに復学や就職面への支援など、AYA世代*の患者さんたちが社会で健全に生活できるよう、様々な支援体制をとっています。
また、多くの新薬の治験を通じて、最新の治療を提供することを心がけています。

*AYA世代:15歳~30歳前後の思春期・若年成人(Adolescent and Young Adult,AYA)

大阪市立総合医療センター小児医療センターにおける小児がんへの取り組み

患者さん向け

数字で見る当センターでの小児がんへの取り組み

診療実績(2023年1月1日~12月31日)

年間入院小児がん患者延べ数 966人
年間入院小児がん患者実数 296人
小児がん入院患者在院延べ日数 10,047日
外来小児がん患者延べ数 12,002人
緩和ケアチームが新規で
診療を実施した小児がん患者実数
16人
セカンドオピニオンの対応を行った
小児がん患者延べ数
31人
他施設から紹介され
受け入れた小児がん患者延べ数
264人
小児がん患者の紹介を
受けた医療機関実数
170機関
小児がん患者の
他施設への紹介患者延べ数
188人
小児がん患者を
紹介した医療機関実数
118機関

がん種別年間新規症例数(2023年1月1日~12月31日)

造血器腫瘍合計 36件
固形腫瘍合計 38件

闘病するお子さんやご家族のための様々な施設