がんゲノム医療について
当院はがんゲノム医療連携病院です
がんゲノム医療とは
「がんゲノム医療」とは、「がん」の遺伝子を詳しく調べ、一人一人の遺伝子の変化に応じた治療などを行う医療です。最近の「分子標的薬」と呼ばれる抗がん剤はある特別な遺伝子変化をもつがんに良く効くことが知られています。
がんの種類にもよりますが、治療選択に役立つ可能性がある遺伝子変異は約半数の患者さんに見つかります。
しかし、遺伝子変異があっても、使用できる薬がない場合もあり、がん遺伝子パネル検査を受けて、自分に合う薬の使用(臨床試験を含む)に結び付く人は、全体の10~20%程度と言われています。
がん遺伝子パネル検査は、次世代シークエンサー(NGS)という装置を用いて、組織や血液のがん細胞の遺伝子変異を調べます。がんの原因となる遺伝子変異が見つかった場合には、その遺伝子変異に対応する薬剤を選択できる場合があります。
令和3年度8月より、血液による遺伝子パネル検査(リキッドバイオプシー)が保険適用となり、組織での検査が困難な固形がんでも検査が可能となりました。
がんゲノム医療外来の受診について
がんゲノム医療(保険診療)を受けていただくためには、いくつかの条件があります。
全身状態が良く、その「がん」に対する標準的な治療がない、また、局所進行や転移が認められ標準的な治療が終了している(もしくは終了が見込まれる)場合で、主治医が条件を満たすと判断した患者さんが対象となります。
※小児悪性固形腫瘍(脳腫瘍)も対象となります。
保険診療対象外でも、自由診療として実施できる場合があります。
まずは、主治医とご相談ください。
受診の流れ
がんゲノム医療の診察は、3回に分けて実施します。
①1回目の診察で、がんゲノム医療の対象かどうかの判定、検査についての説明をします。
②2回目の診察で、同意のうえ出検します。採血が必要な場合は、この日に採血させていただきます。 ※1回目、2回目の診察、いずれかにご家族と一緒にご来院ください。
③検査結果に基づき、症例検討合同カンファレンス(エキスパートパネル)を実施し、最適な治療について検討します。
④検査より約1カ月後、3回目の診察で、検査結果と結果に基づいた治療選択について説明します。
※検査後の治療については、3回目の診察(結果説明)後、紹介元の主治医とご相談ください。
費用について 令和4年4月保険点数が改訂されました。
検査費用として、56,000点(3割負担の方の自己負担:168,000円、自由診療の方自己負担:560,000円)が必要です。
【保険診療】
検査費用は、2回目の診察(検査日 44,000点)と3回目の診察(結果説明時 12,000点)の2回に分けてお支払いいただきます。
検査に提出しても、最終的なレポート作成ができない場合がありますが、その場合も同額となります。
【自由診療】
検査費用は、2回目の診察時、560,000円全額をお支払いいただきます。
ただし、検体の状態不良などの理由で中止となったときは、お支払いいただいた検査費用の一部を返金いたします。
患者さんのご都合でキャンセルとなった場合の返金はありません。
※その他、診察料、診断料などが別途必要です。
※上記費用には、検査後の治療のための費用は含まれません
医療機関の方へ
情報(外部リンク)
がんゲノム医療とがん遺伝子パネル検査について(国立がん研究センター がんゲノム情報管理センターへリンクします)
【参考動画】
第1部:がん遺伝子パネル検査 [4分06秒](外部サイトYouTubeにリンクします)
第2部:遺伝的背景と「がん」の関わりについて [4分10秒](外部サイトYouTubeにリンクします)
第3部:がんゲノム情報管理センターについて [5分16秒](外部サイトYouTubeにリンクします)
第4部:検査の意思決定について [7分30秒](外部サイトYouTubeにリンクします)
※この動画は、がんゲノム医療中核拠点病院(11施設)の協力により、がんゲノム情報管理センター(C-CAT)が作成したものです。
当院のがんゲノム医療について
平成30年4月 京都大学医学部附属病院と連携し「がんゲノム連携病院」に指定(平成30年4月1日付)
平成30年10月 自由診療でのがん遺伝子パネル検査開始
令和元年 9月 厚生労働省より「がんゲノム医療拠点病院」に指定(令和元年9月19日付)
令和元年11月 保険適用でのがん遺伝子パネル検査開始(6月保険収載)
令和3年 8月 血液によるがん遺伝子パネル検査(リキッドバイオプシー)開始(8月保険収載)
令和 5年 4月 「がんゲノム医療連携病院」に指定(令和5年4月1日付)