小児形成外科

科の特色

唇顎口蓋裂、頭蓋(骨)縫合早期癒合症、耳の変形(小耳症・埋没耳・たち耳・副耳・耳瘻孔など)、眼瞼下垂や四肢・体幹先天異常などの病気に対して、小児医療センターのチーム医療を駆使して、多角的に治療を行っています。成長による影響というものを重要視しているため年以上の超長期的な成績を検討し、手術のタイミング、手術法を考慮して行っています。 また、顔面骨骨折に対しても、術後の成長を考慮した手術方法を選択し、治療を行っています。

診療方針

生まれてから成人まで経過をみる疾患が多いため、小児形成外科医師は、形成外科も兼務して治療をおこなっています

  • 頭蓋顔面外科
    うまれながらに頭の形や顔の形がゆがんでいる先天異常の病気などに対して、機能回復だけでなく、形やバランスを整える手術を数多く行っています。子供の時に行う手術は、子供から大人にかけて徐々に大きくなる成長の要素をよく考えて手術をする必要があります。適切な時期に適切な治療を行うことが最終的な仕上がりや機能向上を左右するため、計画的に手術のプランを立てていくことが重要です。また、手術の具体的なプランニングのために、先進医療として厚労省より認可されている“三次元形状解析による体表の形態的診断”や高度医療の“実物大の実体モデル”を利用しています。
  • 唇顎口蓋裂
    手術してから成人するまでの間、総合的に診療することにより、より統制のとれた診療を心がけております。そのため、矯正歯科・小児言語科・小児耳鼻科・口腔外科とともにチーム治療を行っています。顎裂を伴う唇裂には、矯正歯科などと協力してプレート(口蓋床)を用いた顎誘導を行うことで、本来備わっている顎の成長を促します。これにともなって、傷口にストレスがかかりにくいようになり、より美しい形態を作成できると考えています。成人するまでの治療のスケジュールは、お子様の一人一人の状況に応じて調整を行います。
  • 先天性眼瞼下垂・睫毛内反症(逆まつげ) 
    先天性眼瞼下垂や、睫毛内反症のような疾患に対して、小児眼科と協力体制のもと数多くの症例を加療しております。眼瞼下垂の手術は、まぶたを持ち上げる筋肉の力が、ほとんど無い場合とある程度ある場合で、手術方法を変えるなどして、眼瞼下垂の程度に合わせた治療を行っています。
  • 顔面骨骨折
    強い衝撃が顔面に加わることで、さまざまな顔の骨が折れてしまいます。顔面の場合には、折れた骨が筋肉に引っ張られたり、空洞に落ちたり、ほかの神経などを圧迫したりとさまざまな状況が生じます。当科では先天性の疾患から、再建手術にいたるまで、顔面周囲の手術を多く扱っており、その技術は顔面骨骨折に対しても応用できます。単純な頬骨骨折、眼窩底骨折から粉砕骨折や複雑な上顎骨骨折、また骨折後に顔面変形を残した例など多様な骨折に対応しております。 

    当科では、患者さんのQOLの改善を治療の大きな目的としています。このため、特に初診時は十分に時間をとり、治療方法について十分な説明を行うようにしています。そして、納得いくまで何度でも診察の機会を持つようにしています。十分に説明を受けていただき、納得いただいた上で手術を受けて頂きたいと思っております。話だけでも聞きたいと思われている方でも、ご遠慮なく受診してください。

  • 乳児の頭の変形外来