大阪市立総合医療センター,Osaka City General Hospital

TEL.06-6929-1221

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呼吸器外科

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科の特色

診療対象疾患は肺縦隔領域の外科全般です.当センターは地域がん診療連携拠点病院として癌治療に関する高度な医療を提供する責務を担っています.

 

2017年の全身麻酔下手術件数は411件でした.疾患の中で最も多い肺癌に対しては1995年開設以来3600例余りの肺癌手術を行って来ました.原則として完全胸腔鏡下もしくは胸腔鏡補助下(小開胸併用)により,皮膚切開を小さくし筋肉をほとんど切開しない手術を行っており,術後のQOL改善や早期社会復帰に努めています.肺癌の手術件数は180〜200件であり全国でも有数の実績を持っています.なお完全胸腔鏡下もしくは胸腔鏡補助下による手術は92%(2017年実績)でした.

 

5cm以下の肺癌に対しては,ほぼ全例で肋骨の間を広げずモニター視のみで行う完全胸腔鏡下手術を施行しており術後5〜10日程度で退院可能です.また気管支形成,血管形成術を駆使した肺機能の温存に努める手術を積極的に行っており,過去8年間に施行した肺癌手術は1510例で66例(4.4%)に気管支形成術を行いました(全国平均1.2%).

局所進行肺癌に対しては、総合病院の強みを生かして他科(心臓血管外科,消化器外科,整形外科,耳鼻咽喉科など)との連携の下に,他病院では手術困難とされる方でも積極的に各種拡大手術療法を行っております(肺癌手術詳細に関するリンクはこちらへ).また当初切除不能と判断された進行癌の方でも,抗癌剤と放射線治療を行ない腫瘍の縮小を図った後に手術を行う術前導入療法も取り入れ癌の根治に努めています.こういった難手術とされる方に対しても,安全(Safe),確実(Secure),高品質(Sophisticated)を追求し,より良い手術を行うため日々の業務を行っています.

また学会においては,当センターの手術術式に対して非常に高い評価を頂いており,その手術手技について日本呼吸器外科ホームページで紹介されています。詳細はこちら

 

癌,肉腫による気管,気管支の狭窄に対しては硬性気管支鏡を使用し,24時間救急対応での気管拡張術,ステント留置術などの治療を行っています.70〜80人/年の治療を施行しており,他府県からの紹介患者さんも多く関西地区において最も多い症例数を取り扱っています(気管狭窄に関するリンクはこちらへ).

手術以外の特色としては,肺癌の切除成績向上を目指したEvidence Based Medicineを実践するためのEvidenceを創り上げることが目標としています.臨床腫瘍センター(腫瘍内科および放射線腫瘍科)と共同で抗癌剤,放射線治療を組み合わせた集学的治療を実践し,手術成績の向上を目指して日本国内の施設と共同で臨床研究を行っています(JCOG; Japan Clinical Oncology Group, WJOG; West Japan Oncology Group, North East Japan Study Groupなどに参加).JCOG及びWJOGでは肺癌の新しい手術法の開発と,術前の化学療法と放射線療法併用による術前治療の臨床試験および術後化学療法の臨床試験を行い,新しい治療法の開発に取り組んでいます.

診療方針

呼吸器外科は呼吸器(肺・気管)、縦隔、胸壁・胸膜、横隔膜等の腫瘍、炎症、先天異常などの外科的治療を行います。手術療法は患者に大きな負担を与え合併症を伴う可能性がある治療法です。このためその適応は慎重でなくてはならず、最終的な診断・治療方針決定は、呼吸器外科、呼吸器内科、腫瘍内科、放射線腫瘍科、薬剤部で構成されるカンファレンスで行っています。また治療に当たっては術前に詳細な説明を行い、患者とその御家族に治療の目的・方法・効果・危険性を十分に理解していただいています。

 

治療対象、ことにその主体となっている肺癌の手術を行うに当たっては、入院から退院までは肺癌手術用のクリニカルパスを使用し効果的・効率的な医療を実施します。病状によっては抗癌化学療法、放射線療法を加えた集学的治療が必要となりますが、この場合は腫瘍内科、放射線腫瘍科と密接に連携をとってそのスケジュールを迅速に決定し、かつ正確に施行します。また入院患者に関しては回診、症例検討会などで医師スタッフ,看護師,理学療法士など医療者の情報共有化を図り、常に各患者の状態を把握できるように留意しています。

 

肺癌以外の疾患に対しても、これら迅速・確実な治療を行うことは全く同じです。

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