小児脳神経・言語療法内科
当科は、こどもの脳神経の疾患やそれらに伴う障がいを扱う専門科です。対象となる病気は「てんかん」など発作を起こす疾患、運動障がいを来す神経や筋肉の病気、発達や発育障がいの原因となる先天異常等です。 外来診察では、それらの疾患のほか、頭痛、言葉の遅れ、多動などに対する診断、治療、相談を行っています。
小児医療専門施設として、小児脳神経外科、小児救急科等の小児部門各科、生理検査室、リハビリテーション部との連携により、急性神経疾患の治療から障がい児の包括的医療まで幅広い医療を行っていることが特徴です。特に、障がいのある子どもさんについては、療育機関や学校と密接な連絡を持ちながらQOL(生活の質)を高めるための活動を進めています。摂食機能障がいに対する指導などを関連スタッフと協力して行っています。
また、先天性疾患、遺伝性疾患(成人を含む)に対する遺伝カウンセリングや神経遺伝に関連した外来を行っています。
診療方針
小児医療専門施設として、小児科各科および各部署と連携をとりながら、急性神経疾患の治療から障がい児の包括的医療まで幅広い医療を行っています。
科の特色
当科では、小児期に発症する様々な疾患に伴う言語機能障害に対し、小児脳神経内科医、小児専門の言語聴覚士による専門的な評価と、それに基づいた指導・訓練を行っています。
診療方針
小児期に発症する様々な疾患に伴う、言語発達遅滞、構音障がい、吃音症、読み書き障がいなどに対応しています。小児脳神経内科医による診察・面談と、小児専門の言語聴覚士による評価をもとに原因を明らかにし、原因に応じて、保護者指導や訓練、療育機関への紹介や、学校面談等を行っています。
頭部外傷、急性脳炎脳症、脳腫瘍などの後天性脳損傷に伴う失語症、高次脳機能障がいに対する診療も行っており、小児期に発症した高次脳機能障がいに対応できる数少ない施設です。特に発症早期の失語症の患者様に対しては、入院も含めた積極的な訓練を施行しています。
言語発達遅滞
診察や検査でことばの遅れの原因を明らかにし、お子さんにあった関わり方を保護者に助言しています。発達のスピードが他児と異なる児において、保護者がお子さんの状態を理解することは、何より大切であると考えています。
全体発達の遅れ、自閉スペクトラム症が原因の場合、将来的に言語以外の症状が課題となることも多く、当科の診療に加えて児童発達支援などの療育をお勧めしています。
理解が良いのに、表出が遅れているタイプでは、専門的な訓練が必要となることがあり、当科で実施しています。
構音障害
発達年齢から期待される発音が習得されていない状態を構音障害といいます。
発達途上に見られる発音の誤りに対しては、年長ごろから訓練を開始することが多く、お子さんの言語発達や訓練意欲、聞く姿勢を確認しながら、訓練時期を判断しています。
また、鼻咽腔閉鎖機能不全や粘膜下口蓋裂など、口腔周辺の器質的・機能的な問題が疑われる場合には、小児耳鼻咽喉科や小児形成外科と連携して評価・訓練・治療を行います。
吃音症
吃音症を完全に治す方法は現時点では確立していません。治療の最大の目的は、二次障害を予防し、吃音があっても安心して社会参加できるよう支援することです。
当科では、本人・保護者に吃音症に関する正しい知識を持っていたき、環境調整を一緒に進めていきます。
学童期以降では、吃音症のある自分を受け入れられるよう寄り添う支援を行い、必要に応じて診断書の発行なども対応しています。
読み書き障害
発達に大きな問題がないにも関わらず、小学1年生の夏休みの時点で「ひらがな読み書き」が習得できていない場合、読み書き障害(発達性ディスレクシア)の可能性があります。
読み書き障害のお子さんは、視知覚認知(形の見分け)、音韻処理(音を聞き取って操作する力)、デコーディング(音から文字への変換)のどこかに苦手さが見られることがあります。また、自閉スペクトラム症、注意欠如/多動症、発達性協調運動症といった発達 特性が読み書き困難の背景にあることも少なくありません。
当科では、お子さんの発達段階と読み書き能力のバランスを丁寧に評価し、読み書き困難の原因を明らかにしたうえで、一人一人に合った学習方法・支援方法を提案しています。希望に応じて、学校や放課後等デイサービスの先生との面談や、書面での情報提供も行っています。
高次脳機能障害
頭部外傷、急性脳炎/脳症、脳腫瘍、脳血管障害などにより脳の一部が損傷されると、知能が低下したり、物覚えが悪くなったり、段取りが悪くなったり、言葉を理解したり表現したりすることが苦手になったり、といった症状がでることがあります。これらの症状は「高次脳機能障害」と呼ばれています。
小児では、受傷から時間が経った後に明らかとなることも多く、学習のつまづきや友達関係の困難として自覚されます。
脳の特定の機能が低下していることも多いため、得意・苦手を丁寧に評価することで、学校生活や日常場面での困り感を減らす方略を考えることができます。
失語症(きく・話す・読む・書くのいずれか、またはすべてが苦手になる状態)では、訓練効果が高いことが証明されています。当科では、小児の失語症に対する訓練を行っています。
小児の言語と脳機能オープンカンファレンスについて
当科では、毎年医師や言語聴覚士、療育・教育関係者の方々を対象とした「小児の言語と脳機能オープンカンファレンス」を実施しております。当院医師による講演や症例検討会、ゲストをお招きしたスペシャルトーク等、小児の言語と脳機能について深く学ぶ機会となっております。ぜひご参加ください。
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