病院の言葉をわかりやすく説明します

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病院の言葉をわかりやすく説明します

言  葉 説  明
インフォームド
コンセント
 治療法などについて、医師から十分な説明を受けた上で、患者が正しく理解し納得して、同意することです。医師は平易な言葉で患者の理解を確かめながら説明します。患者は納得できる治療法を選択し、同意します。医師が治療法を決めるのではなく、かといって患者にすべてを決めてもらうのではなく、ともに考える医療です。医師の説明を理解し納得して、治療法に同意できる場合、同意書を出してもらうことになります。
ウイルス  病原体の一種で、細菌よりずっと小さく、電子顕微鏡でやっと見えるくらいです。細菌は自分で増えることができますが、ウイルスはほかの生物の中で増えて病気を引き起こします。細菌には抗生剤(抗菌薬)が効きますが、ウイルスには効果がありません。
エムアールアイ
MRI
 からだを輪切りにしたような画像が得られる検査です。磁気を発生させた場に横たわってもらい、からだの中から信号を拾い出します。その必要な情報をコンピューターで処理すると、からだの中を輪切りにした画像をはじめ、いろいろな断面での鮮明な画像が得られます。
えんしょう
炎症
 からだに侵入して悪さをする細菌やウイルスと、からだを病気から守る働きをする白血球が戦うと、赤くなったり熱を持ったりする「炎症」が起きます。細菌やウイルスが白血球にやっつけられると、膿(うみ)になって出てきます。
ガイドライン  治療に関して適切な判断を下せるように、病気になった人に対する治療の実績や、学会での研究をふまえて作られた診療の目安です。最新の治療法を含め多くの情報から有効性、安全性などを整理して、診療の指針を示してあります。
かいよう
潰瘍
 病気のために、粘膜(ねんまく)や皮膚の表面が炎症を起こしてくずれ、できた傷が深くえぐれたようになった状態です。
同じようにしてできた傷でも浅い場合は『糜爛(びらん)』と言います。
かがくりょうほう
化学療法
 薬剤を使って、がんを治療することを「化学療法」と言います。がん細胞が増えるのを抑えたり、がん細胞を破壊したりします。手術でがんを切り取る前後や、放射線をあててがん細胞が分裂するのを防ぐ治療などと組み合わせて用いることもあります。化学療法は、注射や内服によって薬が血液中に入り、全身の隅々まで運ばれて体内に潜むがん細胞を攻撃し、破壊します。全身のどこにがん細胞があってもそれらを破壊する力を持っているので、全身的な治療に効果があります。がんの初期にはからだの一部にあった悪い細胞のかたまりが、次第に全身に広がっていき、全身的な病気となってしまいます。全身病としてのがんを治すということからすると、化学療法は効果的な治療法です。
かんわ
緩和ケア
 痛みや苦しみを和らげることを優先する医療です。痛みや吐き気、呼吸困難などの症状を改善させたり、不安などを軽くしたりするケアを行います。WTO(世界保健機関)では、痛みの強さに応じて、早い段階から積極的に痛みを取り除くことを勧めています。緩和ケアは、医師と看護師だけで行うものではなく、薬剤師、栄養士、理学療法士、作業療法士のほか、ときには宗教家なども交えたチームで協力して行います。

薬剤師は痛みを和らげる薬の使い方、栄養士は食べやすい調理法、理学療法士は痛みを生じない姿勢やからだの動かし方、作業療法士は生活環境作りの相談などを担います。趣味や嗜好(しこう)を同じくするボランティアの協力を得ることもあります。

キューオーエル
QOL
 病気や加齢によって、生活に制約ができたり、苦痛を伴ったり、その人らしく生活することができなくなってしまうことがあります。また、手術や抗がん剤など治療が原因となって、それまで通りの生活ができなくなる場合もあります。患者さんの人生観や価値観を尊重し、その人がこれでいいと思えるような生活をできるだけ維持することに配慮した医療が、求められています。QOLを決めるのは患者本人で、それを助けるのは医療です。
こうげんびょう
膠原病
 からだの中で敵から自分を守ってくれている物質が、自分のからだのある部分を敵だと間違えて、攻撃するようになったために起きる病気の一種です。皮膚・血管・関節などに激しい炎症を起こします。
ごえん
誤嚥
 食べたり飲んだりしようとしたときに、飲食物が誤って食道ではなく気管に入ってしまうことです。飲食物を飲み込む力が弱かったり、飲み込む神経の働きが悪かったりすると起こりやすいのです。飲食物が気管に入ると激しくむせるのは、それを押し出そうとするからです。飲食物だけでなく唾液(だえき)が気管に入る場合もあります。口から肺に細菌が入ることで病気を引き起こすきっかけにもなります。
じゅうとく
重篤
 病状が非常に重いこと。
しゅよう
腫瘍
 細胞が異常に増えてかたまりになったものです。ある場所にとどまって大きくなるだけの良性の腫瘍と、治療が必要な悪性の腫瘍があります。悪性腫瘍はがんとも言います。
ショック  血液の循環がうまくいかなくなって、脳や臓器などが酸素不足におちいり、生命にかかわる大変に危険な状態です。緊急に治療する必要があります。血圧が下がる、顔面が真っ白になる、脈が弱くなる、意識がうすれるなどの症状が現れます。
じんふぜん
腎不全
 腎臓(じんぞう)の働きが悪くなり、からだの中の捨てなければならないものや余分な水分が、血液の中にたまってしまう状態です。
ステロイド  炎症をしずめたり、免疫の働きを弱めたりする薬です。腎臓(じんぞう)の上の方にある副腎皮質(ふくじんひしつ)というところで作られたホルモンのうち、糖質コルチコイドという成分を合成した薬です。適切に使わないとからだに影響が出ますので、必ず指示通りに使ってください。ステロイドには、飲み薬、注射、塗り薬、吸入剤などがあります。飲み薬や注射は、専門の医師の処方によって使います。塗り薬は、塗り過ぎるとよくないので医師の指導に必ず従ってください。吸入剤は副作用が極めて少ないので安心です。
 せいけん
生検
 患部の組織の一部を、麻酔をしてからメスや針などで切り取って、顕微鏡などで調べる検査です。この検査によって、病気を正確に診断することができます。例えば、がんの診断の場合、まず、画像検査や内視鏡検査を行って、病気がどこにあり、どんな様子かを推定します。その結果、がんである疑いが強く出れば、患部の一部を切り取る検査をし、その場所や状態を推定します。この検査によって、診断を確定し、治療に進みます。
 セカンド
オピニオン
 現在かかっている医師とは別の医師の意見のことです。具体的には「勧められた手術が妥当なものか、ほかに治療法がないか」など、診断や治療方針について主治医以外の病院の医師の意見を参考にして判断することです。したがって、セカンドオピニオンを聞きたいときは、主治医にはっきりと申し出なければなりません。
たいせい
耐性
 同じ薬を繰り返し使うことによって、細菌やウイルス、がん細胞などが、その薬に耐える(抵抗する)力を持つことです。その結果、これまでは効いていた薬が効かなくなってきます。この場合は、量を増やしたり、別の薬に切り替えたりする必要があります。
ちけん
治験
 新しい薬を開発するために、人での治療の効果や安全性を調べる試験のことです。製薬会社が開発する新しい薬は、厚生労働省の承認が必要です。この承認を受けるために行われてるのが「治験」です。動物実験などで効果や安全性が確かめられたものについて、人での試験に進みます。「治験」は「治療の試験」という意味です。
とんぷく
頓服
 一日一回とか毎食後とか、決められたときに薬を飲むのではなく、症状が出て必要になったときに薬を飲むことです。「頓服薬」と言うのは、そのようにして飲む薬のことです。
ねっちゅうしょう
熱中症
 高温や高熱に長時間さらされたために、体温調整がうまくいかなくなって、急に高熱が出たり、意識不明におちいったりする病気です。
 ノロウイルス  腹痛や下痢(げり)・嘔吐(おうと)などの症状を起こすウイルスの一種です。人のからだの中で増える性質を持っているため、感染している人の糞便(ふんべん)や吐いた物に大量に含まれています。このため、手や器物などを通して食品にくっつき、その食品を食べた人に感染し流行します。したがって、よく手を洗うなどして予防することが非常に大切です。また、ウイルスを含む食品による食中毒が原因のこともありますので、よく火を通してから食べることが予防に効果があります。
はいけつしょう
敗血症
 血液に細菌が入って全身に回り、からだの抵抗力が負けて重い症状に陥った病気です。高熱や頭痛などを起こし、そのままにしておくと命にかかわります。
ひんけつ
貧血
 血液の中の赤血球や、その中の色素が減った状態を言います。その色素のことを「ヘモグロビン」と言います。赤血球やヘモグロビンは、全身に酸素を運ぶ働きをしているので、不足すると酸素が足りない状態になり、めまいや息切れなどの症状が現れます。気持ちが悪くなって立ちくらみを起こして倒れることを「貧血」と言う場合がありますが、ここで言う貧血とは別の病気です。
ふくさよう
副作用
 どんな薬にも目的に合った働きと目的に合っていない働きとがあります。例えば風邪薬を飲むと、風邪の症状を抑える反面、眠くなることがありますが、眠くなるのは、副作用です。副作用には害のあるものもあれば、害のないものもあります。
プライマリー
ケア
 あなたの近所にいて、何でも気さくに診てくれ、いつでも相談に乗ってくれる医師による医療のことです。特定の病気だけを診る専門医療とは違って、患者を一人の人間として、総合的に診療する医療のことです。緊急の事態が起こったり専門的な医療が必要になったりしたときは、最適の専門医に進んで紹介してくれるので、安心です。
ぺっと
PET
 薬剤を体内に注射し、薬剤ががん細胞に集まるところを写す検査です。特別な機械を使って撮影します。がんの有無や位置を詳しく調べることができます。
 ポリープ  胃や腸の内側にできる、いぼやきのこのような形のできもののことです。良性のものと悪性のものとがありますが、悪性のものに変化するおそれがあると診断された場合は、手術や薬で取り去ります。
よご
予後
 今後の病状についての医学的な見通しのことです。治療を行った後に、病状がどのような経過をたどるのかを予測し、見通しを立てます。その判断材料には数々のものがありますので、必ずこうなるというものではなくある確かさを数値として表すことしかできません。

※国立国語研究所「『病院の言葉』を分かりやすくする提案」より引用しています。

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