理事長挨拶

 大阪市の市民病院は、大阪市が市政となる2年前の明治20年(1887年)に、桃山市民病院(現在は廃院)の前身の病院として最初に建設されました。長い歴史の中で、救急医療、小児・周産期医療、結核・感染症医療、精神医療、災害医療など地域に不可欠な医療分野をはじめ、社会において果たすべき役割を考えながら、市民の皆さんに必要な医療を提供してまいりました。
 平成26年(2014年)10月には経営形態を地方独立行政法人に変更し、現在は2つの病院と1つの診療所、大阪市内で最大規模の「総合医療センター」、大阪市内淀川以北で唯一の公的病院である「十三市民病院」、および旧住吉市民病院の跡地で「住之江診療所」を運営しています。

 総合医療センターは、「地域医療支援病院」としての役割はもちろん、大阪府下16か所の「地域がん診療連携拠点病院」、全国15か所の「小児がん拠点病院」、大阪府下14か所の「がんゲノム医療連携病院」、市内6か所の「3次救急医療機関」、府内3か所の「小児救命救急センター」、市内2か所の「総合周産期母子医療センター」、市内唯一の「感染症指定医療機関」など様々な専門的機能を有し、高度急性期病院としての役割を果たしています。国内2番目、西日本初の「AYA世代専用病棟」や緩和ケア病棟、精神科病棟も有しており、新生児から高齢者まで全世代に幅広く医療を提供し、地域の中心的な役割を担う病院となっています。

 十三市民病院は、令和5年(2023年)5月にコロナ専門病院としての役割を終え、救急・がん・感染をはじめ、地域に密着した急性期病院としての役割を果たすことができるよう努めています。令和6年(2024年)には救急車搬送件数は年間1000件を超え、大阪府指定のがん診療拠点病院として、令和7年(2025年)に緩和ケア病棟を開設し、がん治療にも一層重点を置いています。「赤ちゃんに優しい病院」として役割を果たすことができるよう、周産期医療にも力を注いでまいります。

地方独立行政法人 大阪市民病院機構
理事長 清水 貞利

 住之江診療所は住吉市民病院の跡地における新病院設置までの間となりますが、地域に不足する小児・周産期の一次医療を提供しています。いずれの医療機関も地域にはなくてはならない存在となっています。

 新型コロナ感染症に対する診療では、公立病院の役割を十分に果たすことができたのではないかと思っています。今後も公立病院でなければ担うことができない医療に対する機能の強化を図りながら、総合医療センターと十三市民病院が緊密に連携し、大阪市民病院機構が一体となって医療機能を高め、地域に望まれ、地域に不可欠な病院であり続けたいと思います。
 もちろん、経営の安定なくしては良質な医療の提供はできませんので、経営基盤の強化も果たしていきたいと思います。公立病院として市民の皆様の健康と大阪の医療を守り、市民の皆様の信頼にお応えできるよう取り組んでまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

令和8年4月1日
理事長  清水 貞利