脳神経外科手術支援ロボットROSA Oneについて

脳神経外科手術支援ロボット ROSA One ロボットシステム
近畿エリアで初の正式導入(20253START)

 

当院では,2025年3月から脳神経外科手術支援ロボットROSA Oneロボットシステムを近畿圏で初めて正式導入しました (全国では6番目の導入) .

ROSA Oneロボットは手術精度と効率性が高く評価されており,患者様により安全で負担のない手術が可能となり,特に薬剤抵抗性てんかんの患者様への診療強化が期待されます.

当院では,てんかんなどの機能性疾患を中心に脳神経外科・小児脳神経外科で活用しています.

 

ROSA One Brain ロボット手術とは

ROSA Oneロボットシステムは,フランスで開発・製造された最新鋭の脳神経外科手術支援ロボットです.このロボットは高い精度と効率性が必要となる脳神経外科手術を支援するシステムです.特にてんかん外科における定位的深部脳波検査手術 (SEEG) や脳深部刺激装置留置術 (DBS) に活用されます.

 

薬剤抵抗性てんかんに対するロボット支援下定位的頭蓋内脳波 (SEEG) とは

薬剤抵抗性てんかんは,てんかん発作の原因となっている部位 (てんかん焦点) を正確に同定し切除することで,発作の消失・減少を目指すことが可能です.てんかん焦点を同定する為に従来は開頭を必要とするグリッド法が使用されていましたが,ロボット支援下SEEGは開頭を必要とせず手術時間も短く患者さんの負担も少なくなります.

 

 

てんかんの原因となる焦点

 

 

 

焦点を同定する為に,病歴聴取,脳波検査,MRI,核医学検査なども実施します.それでも見つからない時にSEEGが適応となります.

SEEGとてんかん外科手術の流れ

 

ロボット支援下で頭蓋骨に小さい穴をあけて脳内に検査用電極を留置します.

 

 

 

 

 

 

1~2週間ほどかけて,脳波を取得します.てんかん焦点部位を同定したのち,電極を抜去します.

 

翌日以降

退院(退院にの有無ついては患者さん毎に異なります)

          

再度入院して外科的な治療を行います.

 

米国高度てんかんセンター (Level 4) においては9割以上の施設でSEEGが実施されております (1).特に米国での小児てんかん外科手術施設では約8割の施設でROSA Oneロボットシステムを活用しSEEGが行われています (2).

従来法であるグリッド法と比較しSEEGによる評価ではてんかん手術後の発作消失率が1.66倍 (てんかんのタイプによっては2倍以上) であり,薬剤抵抗性てんかんの患者さんにより有効な治療を提供することが出来ます (3)(4).

 

薬剤抵抗性てんかんに対する脳深部刺激 (DBS) 治療とは

薬剤抵抗性てんかん手術では,良好な発作消失・抑制の期待できる外科的切除を第一に検討しますが,てんかんの種類やてんかん焦点の部位によっては切除術の適応が難しいことがあります.

薬剤抵抗性てんかんに対するDBS治療は,このような患者さんに向けて新しく導入された緩和手術です.脳の深部に留置された電極を通じて刺激することで発作を抑制する手術です.

刺激用の電極は脳の特定の部位に正確に留置される必要があり,当院ではDBS電極の留置をROSA Oneロボット支援下で実施します.

 

 

 

 

参考

(1) Gavvala J, et al: Stereotactic EEG practices: A survey of United States tertiary referral epilepsy centers. J Clin Neurophysiol 2022; 39: 474-480

(2) Benjamin C, et al:  Variation in pediatric stereoelectroencephalography practice among pediatric neurosurgeons in the United States: survey results. J Neurosurg Pediatr 2021; 28: 212-220

(3) Lara Jehi, et al: Comparative Effectiveness of Stereotactic Electroencephalography Versus Subdural Grids in Epilepsy Surgery.  Ann Neurol 2021; 90: 927-939

(4) Tandon N, et al: Analysis of morbidity and outcomes associated with use of subdural grids vs stereoelectroencephalography in patients with intractable epilepsy. JAMA Neurol 2019; 76: 672-681

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