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現在本邦において、心臓の手術ではロボット支援下弁形成術が保険収載されています。当院心臓血管外科では、弁膜症に対する弁形成術及び冠動脈バイパス術で用いる内胸動脈の剥離に手術支援ロボット「ダヴィンチ」を活用しています。
大動脈疾患に対しては、通常の開胸・開腹の人工血管置換術に加えて、ハイブリッド手術室を稼働して胸部・腹部大動脈瘤に対するステントグラフト治療を行っております。また、2016年4月より、高齢者の大動脈弁狭窄症を対象に、循環器内科と共同でカテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)を開始しています。カテーテル大動脈弁置換術は、ご高齢で手術リスクの高い患者様に適応されます。また、透析中の方には現状適応とされていません。
カテーテル治療の導入により、治療後早期の回復、社会復帰が可能となりましたが、未だ多くの患者様に開心術(人工心肺を使用して、心臓を止めて行う手術)が必要となります。その場合でも、胸骨正中切開(胸の真ん中の胸骨を縦に切る)を回避して、胸腔鏡下に肋骨の間から行う、小切開心臓手術(MICSミックス)が可能かを検討します。
冠動脈バイパス術においても、ロボットを用いた内胸動脈剥離を行い低侵襲冠動脈バイパス術(MICS-CABG)を行います。
従来から大動脈弁閉鎖不全症に対する標準術式は大動脈弁置換術とされてきましたが、大動脈弁輪拡張症など大動脈基部の拡大が弁逆流の主たる原因である場合や,大動脈弁そのものの形態が比較的保たれている場合などには、人工弁を用いない自己弁温存手術(自己弁温存大動脈基部置換術,大動脈弁形成術)が良い適応となる可能性があります。僧帽弁に比較して形態的に形成が困難であるとされてきた大動脈弁においても,手術方法の進歩などにより、近年良い成績が報告されるようになりました。これらの手術では人工弁に関連する長期的な合併症の可能性を回避できることや,ワーファリンの内服が不要であることなどの利点があります。弁の耐久性、ご年齢などを考慮して、機械弁・生体弁・自己弁温存・自己心膜による弁再建術など最適な治療を検討します。
下肢動静脈を始め、内臓動脈瘤、内臓動脈狭窄などに対する血管内治療を行っています。
✔ 脾動脈瘤、腎動脈瘤、腸間膜動脈瘤
✔ 閉塞性動脈硬化症
✔ 動静脈奇形
✔ 急性下肢閉塞症
✔ 腎動脈狭窄
✔ 上腸間膜動脈狭窄、腹腔動脈狭窄
✔ 深部静脈血栓症
循環器内科と共同でハートライン(循環器内科・心臓血管外科直通電話)を運用し、急性心筋梗塞、不安定狭心症、急性大動脈解離、動脈瘤破裂、急性心不全等の症例を積極的に受け入れています。
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