□このシュウ酸ですが、紅茶以外にも、ホウレン草、サツマイモ、タケノコ、チョコレート、ナッツ類、スターフルーツ等にもたくさん含まれているため、食べる時に注意が必要です。こうなってくると、『あぁ、紅茶もホウレン草もタケノコも良くないんだ・・・もう食べたら駄目なんだ・・・。』と悲観的に思われるかもしれません。 しかし、決してそうではありません。紅茶には、初めに述べたような良いところだって沢山あります。他の食べ物にも良いところも、悪いところもあるんです。
□つまり、紅茶を飲み過ぎて、チョコレートを食べ過ぎて・・・、これではシュウ酸がどんどん体の中にたくさん貯まって、病気が起こりやすくなってしまうわけです。お酒も飲み過ぎると体に悪いですが、ほどほどに摂れば、むしろ健康に良いとされています。どんなものでも“適度な量”で、味わい、楽しむことが大切になってくるのです。
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□補足ですが、もともと胃腸の持病がある人や、胃腸の手術を受けられた方は要注意です。 摂取したシュウ酸の一部は腸の中でカルシウムとくっついて、便中に捨てられます。だから、シュウ酸を含む食品をたくさん食べても、腸の中にカルシウムがしっかりあれば、シュウ酸が腸からたくさん吸収されることにはなりません。しかし、胃腸の持病がある方や、手術で胃腸の切除をした方は、脂肪の吸収が悪くなっていて、この脂肪がカルシウムとくっついてしまいます。このため、シュウ酸がカルシウムとくっつけなくなって、便中に捨てられなくなり、腸から吸収されるシュウ酸の量が増えてしまうのです。このような理由で、胃腸に持病がある人や、胃腸の手術を受けられた人は、特に、シュウ酸を多く含む食品を摂りすぎないようにする必要があります。
□以上、紅茶を飲みすぎると、腎不全になってしまうかもしれない訳をざっと解説しました。最後に繰り返しになりますが、「あぁ怖いな、もう紅茶なんて飲みたくない。」なんてことは思わないでください。食べ物は良い点、悪い点があります。全てほどほどに、バランス良くが、大切なのです。
では皆さん、今日も紅茶を、ほどほどに楽しんでくださいね!
山崎 大輔
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