大阪市立総合医療センター,Osaka City General Hospital

TEL.06-6929-1221

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がんセンター

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ごあいさつ

がんは、我が国において1991年より死因の第1位であり、2016年には年間37万人が亡くなり、生涯のうちに約2人に1人ががんにかかると推計されています。わが国のがん対策のより一層の推進を図るため、がん対策基本法が2006年6月に制定され、基本法に基づき、がん対策を総合的かつ計画的に推進するための「がん対策推進基本計画」が策定され、全国にがん診療連携拠点病院の整備や緩和ケア提供体制の強化、地域がん登録の充実が図られてきました。2018年3月に基本計画の見直しが行われ、“がん患者を含めた国民が、がんを知り、がんの克服を目指す”という全体目標に対して、がん予防、がん医療の充実、がんとの共生、これらを支える基盤の整備が施策としてあげられています。がん医療の充実においてはがんゲノム医療やチーム医療、希少がん・難治がん・小児がん・AYA世代や高齢者のがん対策が、がんとの共生においてはがんと診断された時からの緩和ケアや社会連携に基づくがん患者支援など、取り組むべきさまざまな課題と施策があげられています。また、2018年度からは、個人の状態に基づいたがんの医療を実現させるために、がんゲノム医療推進に向けた取り組みが始まり、その体制整備として、がんゲノム医療中核病院とがんゲノム医療連携病院が設定され、当院もがんゲノム医療連携病院の一つに選出されています。今後は、個々のゲノム変異に基づいた治療方針の決定と薬剤の投与、効果予測因子を踏まえた薬剤の選択、革新的新薬の開発など、患者さん1人1人にあった“個別化医療”が提供できるようなさまざまな取り組みがはじまっています。

総合医療センターは開院当初より高度専門医療に対応するため臓器別診療体制をとり、がん診療に携わってきましたが、薬物療法や放射線治療といったがん治療の進歩により、それらの治療を基軸とした臓器横断的な診療体制が合理的と考えられ、2002年にがん薬物療法を行う臨床腫瘍科(2015年4月より腫瘍内科に名称変更)が設立され、がんの集学的治療を推進してきました。さらに、2005年1月17日付けで大阪市2次医療圏のがん診療連携拠点病院に指定され、その責務を果たすべくがんセンターを組織しました。

がん薬物療法の専門医を多数配置し、すべてのがん腫に対応し、希少がんに対しても総合的なアプローチを行っています。血液腫瘍に対しては強力な薬物療法を行うとともに、移植治療も積極的に取り組んでいます。さらに薬物療法と放射線療法を組み合わせた治療や手術療法も含めた集学的治療を専門医がコーディネートしています。多くの患者さんは主に外来化学療法室で治療されており、より快適に治療が行えるよう2017年7月に外来化学療法室の病床数を32床に増床し、2017年度はのべ11049名の利用がありました。また、当院はがん診療連携拠点病院の中としては数少ない緩和ケア病棟を有しおり、緩和ケア専門医を中心とした多職種からなる緩和ケアチームが中心となり、治療期の担当医も関わり、“早期からの緩和ケア”を目指したチーム医療を実践しています。

これらの治療を確実に、安全に安心して患者さんに提供できるように、各々の部署で多くの専門性を持ったメディカルスタッフが配置されています。専門薬剤師は抗がん薬の調整はもちろん、治療スケジュールや副作用の管理、患者さんの指導などを行い、認定看護師は治療の実際について熟知し、患者さんの状況に合わせた適切な指導とケアを行っており、医師とともにチームとして患者さんをサポートできる体制をとっています。また、がん医療相談員はがん医療の社会的な問題を解決するサポートを行い、近隣の医療機関との連携を通して事細やかな情報を発信しています。緩和ケアチームは、がん患者さんに生じる身体的苦痛から精神的苦痛、さらには社会的な苦痛まであらゆる苦痛にも対応し、患者さんが治療を行っていく上で必要なサポートを受けられるように、病棟のみならず外来でも迅速に対応しています。
がん医療の現状の把握が将来への展望へとつながりますが、院内がん登録の推進の目的は正にここにあり、

診療情報管理士が地道な作業を行っています。小児がんについても小児医療センターとの共同で対応しており、我が国のがん医療の課題を克服できるように、診療体制を整備しています。

がんセンターは、がん診療連携拠点病院として、その責務を果たし、ますます増えると予測されるがん患者さんにとって、心強いサポーターとなれることを目標にしています。また、そのようなサポーターをひとりでも多く育てることも、がんセンターの大きな責務と考えています。

がんセンター長 駄賀 晴子

関連部門

  • ●腫瘍内科
  • ●血液内科
  • ●緩和医療科
  • ●放射線腫瘍科
  • ●外来化学療法室
  • ●専門薬剤師
  • ●認定看護師
  • ●緩和ケアチーム
  • ●がん医療相談
  • ●院内がん登録

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