医療安全管理室

体制・スタッフ構成

職種 人数 資格等
医師 3名

医療安全管理者(3名)
最高質安全責任者(CQSO) 養成研修第二期修了(うち1名)

医療機器安全管理責任者(うち1名)

看護師 5名 医療安全管理者(3名)
薬剤師 1名 医薬品安全管理責任者
事務職員 2名

・関連する各種委員会との関係図

医療安全管理室の取り組み(業務実績)

情報分析
①インシデント・アクシデントレポート分析、フィードバック

重大な医療事故を未然に防ぐためには、インシデントの段階で情報を収集・分析し、再発防止策を立て、職員内で共有することが重要です。
当センターでは、インシデント報告システムを活用し職員に「インシデントレポート」として積極的に報告するよう啓発しています。
これにより、報告の背後にある根源的な要因を分析し、検証と必要時ヒアリングを行い、再発防止策を立て、職員に研修や医療安全ニュースとして周知を図り、重大な医療事故の発生を未然に防ぐよう努めています。

※インシデントレポートは一般的に病床数の5倍の報告数(年間)が最低限達成すべき指標と言われており、
(当センター病床数・1,063床)当センターでは、目標値を年間6,000件に定めています。
インシデント・アクシデント報告件数 7,843件(令和5年度実績)

年度別のインシデントアクシデント件数を示したグラフです

 

②オカレンスレポート事象確認・フィードバック
手術センターオカレンスレポート、治療処置関連オカレンスレポートを確認し、カルテ検証と必要時ヒアリングを行い、再発防止策を立案しフィードバックしています。
オカレンスレポート件数 1,093件(令和5年度実績)
③各種ラウンド(定期巡回)の実施(毎年テーマを決めて実施)
・医療安全管理委員会メンバーによるラウンド
-令和5年度テーマ「素晴らしい取り組み、工夫点を見つけよう!」(病棟以外の部署対象)
・専従看護師によるラウンド
-令和5年度テーマ「5Sラウンド」(病棟対象)
・アクシデント発生時の対策実践状況確認ラウンド

患者さんへの対応

④肺血栓塞栓予防対策
小児を除く入院患者を対象に肺血栓塞栓リスク評価を行い、予防対策を行っています。
(リスク評価表の見直しや修正、スクリーニング結果の分析、マニュアル改訂等を毎年実施)
⑤医療安全に関する問い合わせや相談対応
患者さんからの医療安全に関するご質問・ご相談について、総合医療センター1階、総合医療相談窓口でお聞きしております

研修・情報発信

⑥医療安全に関する研修(令和5年度実績)
【新採用者対象】
全職種新採用者研修・看護師新採用者研修・看護師新採用者静脈注射研修
【全職員対象研修】
全職員対象医療安全研修・BLS研修
【医療職対象研修】
研修医対象医療安全研修・CVカテーテル登録医制度講習会・医療放射線研修・看護師ラダーレベル別研修
⑦М&Мカンファレンス 【Mortality & Morbidity カンファレンス】
年2~3回開催
診療の質の向上を目指し、全職員を対象に、医師・看護師を始め、コメディカル・事務職員等、日常で遭遇する
教訓となる症例を振り返り、①何が起きたか? ②なぜ起きたか? ③どうすべきであったか? 
改善点があれば議論します。
令和5年度検証事例
「ホットパックによる熱傷・安全に温あん法を行うにはどうしたらいいのか」等
令和4年度検証事例
「経鼻胃管の自己抜去を繰り返す患者さんへの対応はどうしたらいいのか」等
⑧医療安全情報等の発信
医療安全ニュース 12回発行、転倒・転落ニュース4回発行(令和5年度実績)
⑨医療安全管理にかかるマニュアル等の整備
定期的に点検し、内容の見直し・変更した内容の周知を行っています。
⑩全職員用医療安全ポケットマニュアルの作成
2年毎に内容を見直し改定し、全職員に配布しています。

その他

⑪その他地域医療機関との連携
大阪市立十三市民病院や地域の医療機関との相互評価等を通して連携し、医療安全の推進に努めています。
(医療安全対策加算1.医療安全対策地域連携加算1取得)

医療事故等の公表

公表基準に基づく医療事故等の公表について

当センターでは、発生した医療事故等について、患者さんをはじめ市民の皆様に適切に情報提供を行うことにより、病院運営の透明性を高め、知る権利に応えるとともに、医療への信頼性を高めることを目的として「大阪市民病院機構における医療事故の公表基準」を定めています。
この公表基準に基づき、発生した医療事故等の件数については、平成18年度から年に1回定期的に一括公表(概ね7月1日に前年度1年間のレベル別報告件数等を公表)しております。
また、医療過誤であることが明らかであり、かつ、患者さんにとって事故が死因となった死因となった場合(レベル5)や事故による障害が一生続く場合(レベル4)など有害な結果が発生した場合は、事故発生後、速やかに患者さんなどの同意を得て報道機関等へ個別公表も行っています。今後とも、医療安全管理体制の充実に努め、皆様から信頼される病院になるように努めて参ります。
※インシデント報告システムにて報告のあった医療事故等は、「大阪市民病院機構における医療事故等の公表基準」記載のレベル区分に分類されます。

総合医療センター

サポートチーム

・転倒・転落防止対策チーム 患者さんの転倒・転落事故を未然に防止し、安全管理の検討、効果的な予防策の推進を目的に2011年に発足しました。メンバーは看護師・薬剤師・理学療法士などの多職種で構成されており、その中には転倒予防指導士や精神看護専門看護師、精神科認定看護師、認知症看護認定看護師が配置されています。専門的な見地から院内ラウンドを行い、事例検討を行うとともに防止対策のアドバイスや「転倒・転落防止対策ニュース」を発行し院内への情報発信を行っています。

この他、院内迅速対応チーム・RRT(Rapid Response Team)や呼吸ケアサポートチーム・RST(Respirator Support Team)とも連携を図っています。

医療安全用語集・リンク集

・インシデント
いわゆる「ヒヤリ・ハット事例」ともいわれるもの。
日常生活の中の出来事に例えると、「車を運転中、突然自転車が脇道から飛び出して来でヒヤリ゙とした」「段差でつまずいたが転ばずに済んだ・転んだが怪我無く済んだ」等が挙げられます。
医療機関では、日常診療の場で、誤った医療行為が患者に実施される前に発見されたもの、あるいは、誤った医療行為が実施されたが、結果として、患者さんに傷害などの影響を及ぼすことはなく、医療事故に至らなかったものをいいます。

・アクシデント(医療事故)
医療に関わる場所で、医療の全過程において患者及び医療従事者等に発生したすべての人身事故のことです。医療提供側の過失の有無は問わず、不可抗力と思われる事象も含みます。
(ただし、患者が本来持っていた疾病や体質等の基礎的条件によるものを除きます。)

アクシデント(医療事故)は次の2つに区分されます。
①医療過誤(過失のある医療事故)
医療事故のうち、医療従事者・医療機関の過失により、患者等に被害を発生させた行為をいう。
 ②過失のない医療事故
医療従事者・医療機関の過失はないが、患者等に被害を発生させた行為をいう。

「国立大学附属病院医療安全管理協議会データ」より
https://square.umin.ac.jp/anzenhc/

・医療安全管理者
医療安全に関する十分な知識及び技能を有する者として、医療安全管理部を構成する職員の中から病院長の指名により選任され、組織横断的に活動し、全部門・全職員に対し医療安全に関わる介入を行います。医療機関全体に係る医療安全管理の企画立案、実行、評価等の組織横断的な活動に専ら従事する者です。

・医療機器安全管理者
医療機器の安全使用を確保する責任者であり、病院長の指名により選任され、組織横断的に活動し、全部門・全職員に対し医療機器の安全使用に関わる介入を行います。

・医薬品安全管理者
医薬品の安全管理に関わる責任者であり、病院長の指名により選任され、組織横断的に活動し、全部門・全職員に対し医薬品の安全使用に関わる介入を行います。

・5Sラウンド
5Sとは・整理、整頓、清掃、清潔、しつけの5項目の事で、改善することで業務効率の向上、医療事故防止に繋がるとされています。定期的にラウンド(定期巡回)し、遵守されているか監視を行うことを5Sラウンドと呼んでいます。

・医療安全対策加算・医療安全対策地域連携加算
医療安全対策加算は診療報酬(保険診療の際に医療行為の対価として算定される報酬)において、医療機関の安全対策が組織的に体制整備されていることが評価され、算定・請求することができる項目です。当センターでは医療安全対策加算1と併せて医療安全対策地域連携加算1(以下、連携加算1)も算定しています。
連携加算1を算定する医療機関は、他の医療安全対策1を算定する病院及び医療安全対策2を算定する病院と連携(相互監査による評価等)し医療安全対策を実施する体制が整備されている必要があり、当センターでは十三市民病院を始め、他の地域の医療機関と連係し、地域の医療安全体制構築に努めています。

出典
・大阪市民病院機構における医療事故の公表基準
・総合医療センター患者安全の報告体制について
・大阪市立総合医療センター医療安全業務指針
・国立大学附属病院医療安全管理協議会データ(https://square.umin.ac.jp/anzenhc/

医療安全管理・感染管理関連リンク集

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