麻酔科紹介
麻酔科・ICUの紹介
麻酔科紹介
山田 徳洪 2023年4月
- 麻酔科専門研修プログラム(日本専門医機構認定)の専門研修基幹施設です
- 新生児から超高齢者までの多くの疾患の麻酔研修が可能で、本院のみで麻酔科専門医の取得に必要なすべての研修を行うことができます
- TAVI、MICS、ダヴィンチ手術(泌尿器科、婦人科、消化器外科、呼吸器外科)の高度先進医療の麻酔管理を学ぶことができます。
- ICU研修を取り入れており高い周術期管理能力が養われます
大阪市立総合医療センターは大阪・梅田から約10分の、交通至便な場所にあります。総合病院であり、院内だけでなく3次救急医療体制の救命救急センターからの患者も含めて、あらゆる手術の麻酔管理に24時間体制で対応しています。
21室(手術センター20室、周産期センター1室)の手術室で麻酔科管理の手術と各科の局所麻酔手術が行われています。小児医療センターを併設しておりますので小児症例が非常に豊富(全症例の20%)であり、新生児手術症例も年間100例程度行っております。総合周産期母子医療センターの指定も受けており母体搬送にも24時間対応しております。産科症例のみならず、超低出生体重児から超高齢者まであらゆる手術に関する麻酔管理を経験することができます。
2018年からは高度先端医療としてロボット支援手術装置『ダヴィンチXi』が専用手術室に2台導入され、泌尿器科・消化器外科・婦人科・呼吸器外科・心臓外科で年間400例以上の手術が実施されています。適応手術の拡大に伴い、今後更なる手術数の増加が見込まれます。外科医・麻酔科医・看護師・臨床工学技士で編成されるダヴィンチチームを中心として手術に対応しています。
血管造影やCT撮影が手術中に可能なハイブリッド手術室も備えており、施設認定を受けた経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)のほかステントグラフト内挿術などが多数行われています。TAVIについても循環器内科医、心臓外科医、麻酔科医、看護師、臨床工学士で編成されるTAVIチームで対応しております。
3次救急体制の救命救急センターを併設しておりますので、多発外傷、熱傷などの救急症例も多数受け入れております。心臓血管外科や消化器外科をはじめ、呼吸器外科の気管ステント留置術等の緊急手術の要請に迅速に対応しております。また、血管造影室での血管内手術や小児のMRI撮影での鎮静・全身麻酔など手術室外での麻酔管理に活躍の場を拡げており、院内での信頼を得ています。Surgical ICUの運営にも携わっており、ICUでの術後管理を学ぶことにより実践的な周術期管理の理解に繋がるものと期待しております。
多岐にわたる麻酔科診療を実現するために業務の効率化と勤務体制の充実に注力しています。ダイバシティの推進を実践するために、看護師の術前外来や術後疼痛管理に取り組む周術期管理チームの運営や特定行為看護師の導入、臨床工学士の業務拡大などに取り組んでいます。勤務体制において、シフト勤務の導入とシームレスな麻酔管理の引継ぎ、当直翌日の業務免除、時間外勤務者の勤務調整を実践しており、麻酔科医の就労環境の改善にも取り組んでおります。
【 専門研修プログラムについて 】
2018年度から日本専門医機構の認定を受けた麻酔科専門研修プログラムによる専門医研修制度が開始されています。手術中の麻酔管理のみならず、術前・術後の患者の全身状態を良好に維持・管理するために細心の注意を払い、患者の安全の最後の砦となる全身管理のスペシャリストの育成を目指しております。最初の2年間であらゆる麻酔症例で研鑽を積み、後半の2年間では重症症例の麻酔管理だけでなく、当院集中治療センターでのICU研修や連携施設での麻酔ローテーション研修を実施しています。
麻酔科専門医試験を受験するためには、この専門研修プログラムを終了していることが必須とされており、経験すべき麻酔症例数や特殊な手術の麻酔症例数の規定などがあります。プログラムの詳細については日本麻酔科学会ホームページや大阪市立総合医療センター麻酔科専門研修プログラムを参照して下さい。
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大阪市立総合医療センター 沿革
1993年12月 | 開院 |
2004年6月 | 日本医療機能評価病院機構に認定 |
2005年1月 | 地域がん診療拠点病院に指定 |
2013年1月 | 総合周産期母子医療センターに指定 |
2013年2月 | 小児がん拠点病院に指定 |
2014年4月 | ハイブリット手術室運用開始 |
2014年10月 | 地方独立行政法人大阪市民病院機構へ移行 |
2015年4月 | 手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」導入 |
2015年10月 | 大阪府下6施設目のTAVI認定施設取得 |
2017年1月 | 手術室を16室から20室に増床 |
2017年3月 | 重症病床群を再編(スーパーICU設置) |
当センターの特徴
シームレスな麻酔科とICUの診療連携
幅広い年齢層の多種多様な手術・麻酔・集中治療
(新生児横隔膜ヘルニア・食道閉鎖症・小児心臓血管外科・1000g未満の超低出生体重児・外傷・TAVI・ダヴィンチ手術・帝王切開・無痛分娩・MRI鎮静・アンギオ室でのカテーテル治療・ガンマナイフetc…)
大阪市立総合医療センター
認可病床数:1063床
うち
ER外傷センター(EHCU) :13床
集中治療センター
スーパーICU :28床
HCU :12床
脳卒中ケアユニット(SCU) :6床
母体・胎児集中治療管理室(MFICU) :6床
新生児集中治療室(NICU) :12床
新生児治療回復室(GCU) :20床
新生児室 :20床
小児病棟 :134床
緩和ケア病棟 :24床
手術センター紹介
山田 徳洪 2023年4月
手術センターでは、安全・安心の手術医療を提供するだけでなく、チーム医療を推進し、患者さまにとって満足度の高いサービスを提供できる体制づくりに取り組んでいます。そのために、毎年QI(Quality Indicator)目標を設定し公表しています。
【 QI目標 】
●ハラスメントの全廃
●サービス残業の全廃
●手術件数12,000件以上(麻酔科管理8,500件以上)
●オカレンス 400件以上
●インシデント報告(麻酔科・看護部・CE)
リクス レベル0・1・2・3a:400件以上
リクス レベル3b・4・5:10件以下
2017年10月よりチーム医療の推進として、周術期管理チームを立ち上げ、周術期管理外来を開設しました。入退院センターや各診療科外来と連携を図りながら、入院前の準備から積極的にサポートしています。
また、手術後においても術後疼痛管理チームの活動を推進し、患者さまのベッドサイドに訪問して術後の痛みや苦痛を和らげ、早期回復に向けた支援を行う活動もスタートしました。今後は、心身ともに元気に退院される患者さまの声に耳を傾け、患者サービスの向上につなげる術後外来の開始にむけて準備を進めています。
また、手術を受ける患者さまの様々なニーズに応えるため、デイサージャリー(日帰り手術)や祝祭日の予定手術(年間4日間程度)を開始し、患者様やご家族が、社会生活のなかでなるべく負担のない環境で手術を受けて頂けるよう取り組んでいます。
高度先進医療としては、ロボット支援手術「ダ・ヴィンチ」を2015年に導入して以降、ロボットを格納できる大型専用手術室を新設し、泌尿器科・婦人科・消化器外科(胃切除)手術と順次対象診療科を拡大してきました。来年度は呼吸器外科や消化器外科(下部消化管)もロボット支援手術を導入予定となっています。最先端医療に幅広く対応すべく、外科医・麻酔科医・看護師・臨床工学技士で編成されるダ・ヴィンチチームを中心に、さまざまな診療科への拡充を図っています。
高機能の放射線透視装置を備えたハイブリッド手術室も積極的に活用し、経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)やステントグラフト内挿術をはじめ、多くの診療科でハイブリッド機能を活用し、精度の高い手術を提供しています。
業務の効率化を推進し、外科医が手術に、麻酔科医が麻酔に、看護師が看護に専念できる環境づくりを推進し、手術周辺業務の委託化や臨床工学技士の業務拡大等にも取り組んでいます。
患者さまだけでなく、職員にとっても快適な環境づくりを目指し、誰でも、いつでもくつろげるミーティングルームや他職種で活用できるカンファレンスルームも備えています。
安全管理としては、閉鎖された環境だからこそ最も高い透明性が求められるという観点から、周術期オカレンスレポートシステムを構築し、すべての手術で30項目からなる患者への有害事象を常にチェックし、些細な事象であっても翌日には医療安全管理部に情報が迅速に伝わるよう徹底しています。また、すべての手術で統一した手術安全チェックリストの使用を徹底し、安全確認が形骸化しないよう、毎年チェックリストを改訂しています。
手術センターは、2017年10月より4室増室し、周産期センター手術室1室と合わせて21室となりました。年間12,000件を超える手術を受ける患者さまひとりひとりが、大阪市立総合医療センターの手術センターで手術を受けてよかったと実感して頂けるよう、今後もさらなる変革を進めていきたいと思います。
手術センター
手術室 :20室
ハイブリッド手術室 :1室
ダヴィンチ専用手術室 :1室
周産期センター手術室(産科病棟) :1室
アンギオ室 :4室
・ 手術センタースタッフ構成
麻酔科・ICU医師 :28名
スタッフ :12名
シニアレジデント :2名
レジデント(専攻医) :14名
登録医(歯科医・医科麻酔研修) :1名
看護師 :83名
手術看護認定看護師 :4名
手術看護実践指導看護師 :1名
周術期管理チーム看護師 :10名
臨床工学士 :21名
・施設認定
日本麻酔科学会認定施設(No.686)
麻酔科専門医研修プログラム基幹病院
日本心臓血管麻酔学会専門医認定施設(No.146)
日本集中治療医学会専門医研修施設(No.135)
日本救急医学会指導医指定施設(No.028)
・資格取得者数
日本麻酔科学会 指導医 :7名
専門医 :5名
認定医 :4名
集中治療医学会専門医 :2名
心臓血管麻酔学会専門医 :6名
JB-POT認定医 :11名
小児麻酔学会認定医 :5名
・特殊麻酔症例数
2019年 | 2020年 | 2021年 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
全麻酔管理症例数 | 10236 | 8646 | 8446 | |||
帝王切開術 | 426 | 362 | 506 | |||
6歳未満の小児 | 1622 | 1045 | 1142 | |||
胸部外科 | 459 | 286 | 464 | |||
脳神経外科 | 426 | 267 | 334 | |||
心臓血管外科 | 503 | 321 | 374 |
ICUの紹介
・前畠 慶人 2018年4月
<集中治療管理のできる麻酔科医をめざして>
こんにちは、麻酔科ICUです。
当院ICUは、平成29年3月より4階ワンフロアをICU16床、PICU12床、HCU12床の計40床に拡大し、集中治療センターとしてリニューアルオープンしました。それを機に麻酔科がICUの術後患者管理に常勤として参入し、集中治療のできる麻酔科を目指して日々邁進しています。
当面の目標はこの3年間でチームとして確立したシステムを作り上げることであり、スキルアップはもちろんのことワークライフバランスを大切にすることにも取り組んでいこうと思っています。そのためには豊富な人材が必要です。
麻酔科のサブスペシャリティとして集中治療を経験してみたい人、麻酔標榜医・専門医を取得して当面の目標に困っている人、さらには麻酔が専門外の人でもかまいません。多種多様な科が集まることにより、刺激し合える環境を作ることができると思います。興味がある方は是非見学にきてください。
当院麻酔科ICUのパイオニアとして一緒に働いてみませんか。