小児代謝内分泌・腎臓内科
科の特色
大阪市立総合医療センター小児医療センターでは、診療所および一般病院の小児科では治療が困難な病気に対する、高度かつ専門的な医療を子どもたちに提供しています。その中にあって、小児代謝内分泌・腎臓内科は小児一般疾患・内分泌・代謝・腎臓・リウマチ膠原病などを専門とするチームが主体となって小児医療センターでの専門医療あるいはその橋渡しの役目を果たしています。小児内科系初診担当は小児科専門医が務めており、「小児医療センターのどの科に予約を取得したらよいのか分からない」という場合の窓口診療を行っています。
小児医療センターでは、慢性疾患のために入院が長期となる際には、小学生・中学生では院内学級にて勉学を継続していただけます。乳幼児には、hospital play specialist(入院や通院中の子どもと家族の不安やストレスを緩和し、安心して治療や処置等に臨めるようにあそびを通して精神的なサポートを行う専門職)や保育士が遊びの提供を行っています。
また、腎臓グループでは、新生児期から思春期までの腎臓・リウマチ膠原病疾患を幅広く診療しています。
診療方針
小児医療センターでは、専門診療各科、救命救急センター、集中治療センター、医療連携部などの院内各部署と連携をとりながら、子どもの急性期治療から回復後の地域医療機関との連携まで、幅広い医療を行っています。
腎臓グループでは検尿異常から末期腎不全(透析や腎移植を含む)にいたる全ての腎疾患及びリウマチ膠原病疾患の診療を行っております。3歳児検尿、園・学校検尿、地域医療機関における検尿異常に対して精密検査を行っています。ネフローゼ症候群や腎炎では、腎生検による組織学的診断を積極的に行い、ステロイド・免疫抑制薬による治療を行っています。尿路感染症や先天性腎尿路異常では、腎エコー検査を行っています。急性腎不全では、集中治療部と連携して血液浄化療法を含めた治療を行っています。慢性腎臓病では、腎センターと連携して保存期腎不全治療、腹膜透析、腎移植を行っています。また、持続性発熱、関節痛、発疹、下痢などの非特異的症状からリウマチ・膠原病疾患の精査・加療を行っています。
科の特色
代謝内分泌グループは小児内分泌疾患・代謝性疾患を幅広く診療しています。担当医は小児の成長障害、内分泌疾患(下垂体・甲状腺・副腎・性腺・カルシウム代謝の異常)、代謝疾患(肥満・糖尿病・低血糖・高脂血症)、先天代謝異常症、その他の遺伝性・先天性疾患(奇形症候群、骨疾患)などに豊富な経験を持っています。
また、当小児センターは全国有数である小児専門病院の一つです。個々にはまれな疾患が多く、診療には多くの経験と、他分野の専門医との連携、充実した検査・治療体制が必要ですが、幸い当院では多くの小児系診療科が充実し、内科系・外科系が揃っています。総合周産期医療センター、小児集中治療部(PICU)、遺伝子診療部も併設されており、診断治療に難渋する疾患にも対応可能です。さらに他の小児病院と異なるところは、成人を含む総合病院として、小児専門病院にない検査・治療体制の充実があるため多くの疾患に高度な医療が行えます。成人科との連携があって、どの年齢の患者さんでも適切に対応できるのも特徴です。年齢相応に発育しない児(低身長、高身長、肥満、やせ、遅い第2次性徴、早い第2次性徴)、体の構造が健常児とは異なる児、糖尿病・低血糖の児、先天性代謝異常といわれた児、糖尿病・低血糖の児、腫瘍が治ったのに体調の良くない児などの受診をお受けいたします。
診療方針
患者さんは“診断される”ために来院されるのではなく、“治る”ために来られているので、当たり前の事ですが“治す”ことを最重点に考えています。標準的な診療を普通にこなすことは当然の事ですが、それに満足せず、難しい疾患でも可能性がある限りあきらめない最先端の医療を行うことを心がけています。
その一方、“検査”はあくまでその結果が治療に反映される可能性がある場合に行うことを前提として行い、治療行動に反映されない無駄な検査を避けることを心掛けています。外来受診や入院中の患者さんについては、担当医の方針のみで動くのではなく、科内の検討会で検討して、もれがないか?より良い治療ができないか?を常時検討しています。また安定した患者さんについては地域の先生方と協力して診ていける体制を作ることにも努力しています。
受診の流れ(診察の一例です)
外来の新患は月曜日から金曜日まで毎日受け付けており、初診までお待たせせずに予約を取っていただけるようにしています。
地域医療連携室へお電話上、ご希望の日時で予約をお取りください。(詳しくはこちら)
緊急の場合は当日でも可能な限り対応しますのでご連絡ください。
遺伝子検査
当院では、先天性高インスリン血症、若年発症成人型糖尿病(MODY)、新生児糖尿病、褐色細胞腫、パラガングリオーマなどの遺伝子解析を行っています。詳しくは遺伝子診療部のページをご確認ください。(遺伝子診療部はこちら)
初診時・再診時の選定療養費について
2016年4月1日より、小児センターでも診療費とは別に初診時・再診時の選定療養費(初診7,700円(税込)、再診3,300円(税込))を徴収することになりました。(詳しくはこちら)
紹介状をお持ちでない初診の方、また再診でも定期的に受診のない方は対象となります。
まずかかりつけ医に相談し紹介状をご持参の上、ご来院頂くことをお勧めします。
1. 問診・診察・検査:詳しく病歴や困っている症状をお聞きします。
母子手帳や成長の記録、今までの検査結果などお持ちください。
当日に行える検査(血液・尿・レントゲンなど)を行い帰宅します。
2. 初診当日に行えなかった検査があれば、後日来院していただきます。
(MRI、CT、エコー、栄養指導など)
3. 結果説明:外来で結果をご説明します。
結果に応じて精密検査や入院、外来での経過観察を決めていきます。
継続して治療が必要なものはかかりつけ医と連携して通院の負担を減らすことも可能です。