小児心臓血管外科

小児の先天性心疾患の外科治療が専門であり、対象は1,000g未満の未熟児動脈管開存、緊急手術を要する新生児重症疾患から学童期検診で発見される軽症疾患まで多岐にわたっています。このうち特に新生児期、乳児期に緊急手術を要する重症例はNICU、ICUに受け入れ、小児循環器内科、新生児科、集中治療部との連携の下、術前後を通じて濃厚な循環、呼吸管理を行い、最重症例に対しては、腹膜灌流、血液浄化法、ECMO、補助循環などを積極的に行い成績の向上をめざしています。

一方、軽症例に対しては無輸血開心術の適応拡大をめざしています。また、軽症開心術では皮膚切開を従来の下半分にし、胸骨は上部を切開せずに残して心臓に達する縮小胸骨正中切開を用いた低侵襲手術を総計400例行って、美容上の満足度も得られています。年間の小児先天性心疾患手術総数は約180例、うち開心術は120例前後です。最近では、最重症の左心低形成症候群(HLHS)等をふくめての全手術症例での手術死亡率は数%以下となっています。