大阪市立総合医療センター,Osaka City General Hospital

TEL.06-6929-1221

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前立腺肥大症に対する外科的治療-CVP-について

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前立腺肥大症に対する外科的治療
―CVP(接触式レーザー前立腺蒸散術)―

外科的治療

前立腺肥大症は男性の尿道をとりまく前立腺が肥大することにより、排尿症状(尿がちょろちょろとしか出ない、排尿後も尿が膀胱内に残るなど)や蓄尿症状(頻繁に尿意を催す、強い尿意があってトイレが間に合わないなど)を起こす病気です。加齢とともに徐々に前立腺が肥大するため、50歳以上で多く、高齢になるほど頻度が増加します。

治療には①行動療法(生活指導・メタボ改善など)、②薬物療法(内服)、③外科的治療(後述)があります。当院では主に高リスク症例や難治症例の前立腺肥大症に対する外科的治療を行っています。

日本で主に行われている治療は以下の通りです。

いずれの治療についても内視鏡を尿道に挿入して行います。

TUR-P(経尿道的前立腺切除術:Trans-Uretheral Resection of the Prostate)

最も古くからある一般的な手術で多くの病院で用いられる術式です。

泌尿器科手術を行っている施設ではほぼ備えられている機材を用いるため、導入のハードルが低いです。出血リスクがあり、抗血小板薬・抗凝固薬(血をさらさらにする薬)を内服している状態では手術できないなどのデメリットがあります。

HoLEP(ホルミウムレーザー前立腺核出術:Holmium Laser Enucleation of the Prostate)

海外では1998年頃より行われ始めた術式で、前立腺肥大症の原因となる前立腺の内側部分をレーザーでくり抜くような手術です。出血も少なく、前立腺を大きくくり抜いて尿路を開くことができます。前立腺をくり抜いた後に膀胱内で切り刻んでから体外へと取り出す必要があるため、手術時間が長くなるなどのデメリットがあります。

CVP(接触式レーザー前立腺蒸散術:Contact Vaporization of the Prostate)

当院で主に行っている治療です。最も新しい術式で、前立腺を内側から蒸散していきます。切除と止血を同時に行っていくため、出血リスクが低く、抗血小板薬や抗凝固薬を複数内服している方に対しても行うことができます。(1)前述のTUR-PHoLEPよりも細い内視鏡を使用するため、術後の尿道狭窄リスクを抑えられるといったメリットもあります。

当院では20185月に導入し、現在までに200例以上の手術を行っています。

20185月~20204月までに行った症例184例では75%で術後2日で尿道カテーテル抜去、術後平均入院日数4.1日と一般的なTUR-Pと比較して良好な成績でした。

 

1:内服を中断できる場合は中断して行ったほうが出血リスクが低く、より安全です。

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