大阪市立総合医療センター,Osaka City General Hospital

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整形外科<完全予約制>

大阪市立総合医療センター > ご来院の皆様へ > 診療科部門一覧 > 外科系診療科 > 整形外科<完全予約制> > 関節外科 股関節疾患

関節外科 股関節疾患の紹介

股関節

 股関節は、脚の付け根の関節で、大腿骨(大腿骨頭)が骨盤の受け皿(臼蓋)にはまり込んでいます。股関節は立ち上がったり、歩行したりする際に体を支える役割をしており、歩行時には体重の約3倍の重さがかかると言われています。関節の骨は軟骨でおおわれており、臼蓋との動きを滑らかにしています。この軟骨がすり減ることにより、骨変形が生じ痛みや動きの制限が出現します。その原因に、変形性股関節症、大腿骨頭壊死症、関節リウマチなどがあります。

1. 変形性股関節症
  • 臼蓋形成不全症に伴った
    変形性股関節症
    変形性股関節症
  •  股関節の代表的な疾患で、子どものころの先天性股関節脱臼や、股関節が浅い臼蓋形成不全症などが原因でおこります。股関節の軟骨がすり減り、骨が変形するこ とにより、痛みが出たり、関節の動きが制限されたり、脚が短くなったりするため、歩行が障害されます。痛みが強く歩行障害がある場合は手術(人工股関節置 換術や骨切り術)が必要となります。
2. 大腿骨頭壊死症

大腿骨の骨頭部分の血流が悪くなり、骨が壊死してしまう病気です。ステロイド剤の内服やアルコール多飲に関係していると言われています。骨壊死の範囲大きい場合には、手術(人工股関節置換術や骨切り術)が必要となります。

3. 関節リウマチ
  • 関節リウマチ
  •  体のさまざまな関節が痛くなり、変形する病気で免疫が関係していると言われています。 股関節も変形することがあり、変形性股関節症とちがい軟骨が全体的になくなり、場合によっては、臼蓋の壁を突き破ることがあります(臼底突出症)。
股関節疾患の治療

股関節の治療としては、大きく分けて、保存治療と手術治療があります。 保存治療には、運動療法(筋力トレーニング、水中運動、肥満解消等)、薬物療法(外用薬、鎮痛剤等)、装具療法(杖、補高用足底板等)などがあります。
手術治療には、骨切り術(骨盤や大腿骨の骨切りをして関節の適合性を良くします。)、人工股関節置換術(変形した骨を取り除いて、人工関節に入れ替えます。)があります。

  • MIS-THA術後のX線像
    MIS-THA術後のX線像
  •  当科では、人工股関節置換術(Total Hip Arthroplasty, THA)を積極的におこなっており、従来(20cm)に比べてより小さな切開(8〜10cm)で手術を行う低侵襲手術法(Minimally Invasive Surgery, MIS)を取り入れています(MIS-THA)。この手術では、単に皮膚切開が短いだけではなく、筋肉を切離せずに手術する前方アプローチ(Direct Anterior Approach, DAA)によるTHA(DAA-THA)や、筋肉の一部だけ切離する前外側アプローチTHAを行っており、術後の回復も早く入院期間も3〜4週間程度と短くなり日常生活や仕事に早く復帰することができます。ただし、筋肉を切離しないため、股関節の変形が高度の症例には行わないこともあります。
  • 再置換術後のX線像
    再置換術後のX線像
  •  また、人工股関節のゆるみに対する再置換術(Revision THA)も積極的におこなっており(2012年度Revision THA 11例施行しました。)、このときには、欠損した骨を再建するために、臼蓋再建用十字プレートと同種骨・人工骨を使用しています。同種骨移植については、院内骨銀行を開設し、多様な関節再建手術を行っています。
膝関節疾患
  • 膝関節疾患
  •  膝関節は、大腿骨(太ももの骨)、脛骨(すねの骨)、膝蓋骨(お皿の骨)の3つからできています。人の中で最もおおきな関節で、立ち上がり、しゃがみこみ、歩行、階段昇降等日常生活動作において重要な役割を持っています。

それぞれの骨の表面は、関節軟骨でおおわれており、関節を動かす際や体重がかかるときにクッションの役割をしています。さまざまな理由で、年齢とともに、軟骨が擦り減り、痛みやこわばりが出現し、動きが悪くなったりします。その原因に、変形性膝関節症、関節リウマチ、骨壊死などがあります。また、膝関節はスポーツなどのけがでよくある半月板損傷、靭帯損傷も痛みをだす原因です。

スポーツ傷害(靭帯損傷・半月板損傷)
  • 写真:膝前十字靭帯再建術
    (鏡視下解剖学的二重束再建)
  •  靭帯は、関節を形成する骨同士をつなぎ、関節を安定させる働きを担っていますが、捻り等の外傷により切れることがあり、これが靭帯損傷です。特にスポーツ選手が多く経験する膝前十字時靭帯損傷は選手生命を脅かす最も重大な外傷です。放置すれば、スポーツ復帰が叶わないだけでなく、二次的な半月板、軟骨損傷(変形性膝関節症)の可能性があります。怪我をする前のスポーツレベルに復帰するには手術が必要です。スポーツをさほどされない方でも、日常生活で膝崩れを自覚する場合も手術が勧められます。手術方法は生体力学的、解剖学的な観点から本来の靭帯付着部に2本の骨孔を作製し、移植腱を誘導する二重束再建が成績良好との報告が多くされていることから、当院でも鏡視下二重束再建を行っております。術後は翌日からリハビリを開始し、4-6週で松葉杖が取れ、4ヶ月でダッシュ、6ヶ月でジャンプ動作を行い、完全復帰は10-12ヶ月を目標としております。
半月板損傷
  • 写真:外側円板状半月形成術
    (左:形成前、右:形成後)
    外側円板状半月形成術
  •  半月板は膝関節の衝撃吸収や円滑な膝関節運動を担う重要な組織です。主に、先天性な形態異常(円板状半月)、靭帯損傷に合併した損傷、加齢的変性断裂によって損傷します。症状は、ひっかかりや痛みが主で、時にロッキングといってある角度から動かなくなることがあります。
    一般的に、伸展制限や痛みのある円板状半月、靭帯損傷に合併した半月損傷が手術に至ることが多く、当院では可能な限り半月板を温存する縫合術を行っております。小児の円板状半月に対しても正常の半月板に近づける形成術を行っております。
変形性膝関節症
  • 変形性膝関節症
  •  膝関節の軟骨がすり減ることにより、関節炎や変形を生じ、痛みや可動域制限をきたす病気です。中高年の女性に多く、国内で約1000万人の患者がいると言われています。主な症状としては、立ち上がる時や階段を降りる時の痛み、正座できなくなる・痛い、膝が腫れる・水がたまるなどの症状があります。痛みが強く歩行障害がある場合は手術(関節鏡視下手術・骨切り術・人工膝関節置換術)が必要となります。
関節リウマチ
  • (右膝が患側)
    関節リウマチ
  •  体のさまざまな関節が痛くなり、変形する病気で免疫が関係していると言われています。膝関節の変形はよくおこり、変形性股関節症とちがい軟骨が全体的になくなり、靭帯が切れ不安定になることが多く、その場合歩行困難となります。症状に応じて手術(滑膜切除術、人工膝関節置換術など)が必要となることがあります。
骨壊死

原因がはっきりしないことが多い病気で、50歳以上の中高年に多く、疼痛が強く(特に夜間痛)、膝関節に水がたまることが多い疾患です。 時には、歩行できないほどの疼痛があり、骨が徐々につぶされていくことがあります。疼痛が持続する場合、手術(人工単顆置換術・人工膝関節置換術、若ければ骨切り術+骨軟骨移植術)が必要となることがあります。

膝関節疾患の治療
  • 膝関節の治療
  •  膝関節の治療としては、大きく分けて、保存治療と手術治療があります。
    保存治療には、運動療法、温熱療法、薬物療法、装具療法などがありますが、当科では行っておりません。手術治療には、関節鏡視下手術(関節鏡で検査したのちに、半月板を切除したり、靭帯の再建を行う手術)、骨切り術(脛骨を骨切りしてO脚を治し、関節の適合性を良くします。)、人工膝関節置換術(変形した骨を取り除いて、人工関節に入れ替えます。)があります。
  • 関節鏡視下手術の例
  •  関節鏡視下手術の例(半月板損傷とすりへった軟骨)→半月板を部分切除します。
    痛みが完全にはとれないこともあります。当科では、症例に応じて施行しています。
    疼痛の強い変形性膝関節症等の方に、人工膝関節置換術(Total Knee Arthroplasty, TKA)を積極的に適応しています。早く正確な手術をめざしており、比較的元気な患者さんに対しては、両側同時に手術を行い入院期間を短縮しております。
  • 高度変形例
    脛骨の矯正骨切り術
  •  また、治療に難渋する高度変形を伴う変形性膝関節症に対しても、骨切り術を併用した一期的TKAを施行しています。外傷後や人工膝関節置換術後のゆるみ等も積極的に対応しています。
  • 脛骨の矯正骨切り術
  •  他院で、高位脛骨骨切り術後の高度外反膝に対して、脛骨の矯正骨切り術を併用した一期的TKAを施行した。
足関節・足部疾患
  • 人工足関節置換術
  •  関節リウマチに伴う足関節変形に対して、人工足関節置換術(Total Ankle Arthroplasty, TAA)を施行。→ 疼痛なくなり、スムーズに歩行可能となった。
  • 人工足関節置換術
  •  関節リウマチによる前足部変形→中足骨頭切除術を施行。
    術後、足底の胼胝(タコ)も消失し、疼痛なく歩行可能となった。

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