定期的な経過観察
側弯が軽度の場合は、骨格が成熟するまで定期的に診察と レントゲン撮影を行い、進行の有無を確認します。
私たち脊椎外科チームは、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの一般的な脊椎疾患の診療を頚椎から腰椎まで全ての領域で行っております。その中でも特に脊柱側彎症の治療に注力しております。当院は54診療科を有する総合病院であるだけでなく、小児医療センターを有し小児疾患の治療を得意としています。脊柱側彎(そくわん)症の診療は、医師だけではなく、看護師、理学療法士、栄養士、薬剤師など様々な医療スタッフの側彎症に対する専門的な知識と経験が必要です。また、当センターは高度な治療を安全に行える器機や施設を備えており、種々の併存疾患には他科の医師や麻酔科医の協力を得て積極的な手術治療を行っております。手術治療の成功には精巧な手術を提供するだけでなく術後早期に機能回復を図ることが必要です。チームとして総合的かつ長期的な視野にたった治療方針を立てております。
当センターには豊富な側彎症治療実績があります。幼児から成人まで全ての年代の脊柱変形に対する手術治療を行っており、最近の3年間で300件以上の脊柱変形矯正手術を実施し、昨年度の手術治療は128件(2025年)であり、これは全国6位、近畿地方2位です(DPC全国統計)。
| 氏名 | 役職 | 所属学会 | 専門領域 |
|---|---|---|---|
| 松村 昭 | 整形外科副部長 センター長 |
日本側彎症学会評議員 SRS (アメリカ側弯症学会)メンバー 日本脊椎脊髄病学会評議員 |
こども~大人 |
| 並川 崇 | 整形外科副部長 副センター長 |
日本側彎症学会会員 日本脊椎脊髄病学会会員 |
こども~大人 |
| 堀 悠介 | 整形外科医長 |
日本側彎症学会会員 SRS (アメリカ側弯症学会)メンバー 日本脊椎脊髄病学会会員 |
こども~大人 |
側弯症センターメンバー
背骨は椎骨と呼ばれる骨が首から腰まで連なって柱のようになっており、これを脊柱と呼びます。通常の脊柱は、正面からみた場合まっすぐです。それに対して側方に曲がっている状態を脊柱側彎症と呼びます。通常は椎骨のねじれも伴います。
また、脊柱を側面からみると、頚椎(首の部分)は前方に,胸椎(胸の部分)は後方に、腰椎(腰の部分)は前方に彎曲しています。これらの配列が悪化することで“腰曲がり”が発生します(後彎症)。
小児側弯症の多くは痛みなどの自覚症状がなく、学校検診をきっかけに 見つかります。特に成長期は側弯が進行する可能性があるため、 適切な時期に専門医の評価を受けることが大切です。
側弯症の簡便なチェック方法(前屈テスト)
前屈時の肋骨の高さの差、肩の高さの差、ウエストラインの左右差を見ます。
側弯症の約80%を占め、学童期後半から思春期にかけて成長とともに 背骨が曲がっていく病気です。治療方針は側弯の角度だけではなく、 年齢、残っている成長、進行の速さ、カーブの形などを総合して決定します。
側弯が軽度の場合は、骨格が成熟するまで定期的に診察と レントゲン撮影を行い、進行の有無を確認します。
成長期で進行する可能性がある場合は、側弯の進行を抑えるために 装具治療を行います。当センターでは、体型やカーブに合わせて 装具を作製します。

側弯が高度な場合や、今後も進行する可能性が高い場合に、 患者さんとご家族へ十分に説明したうえで手術を検討します。
生まれた時から椎骨(背骨)の形態異常があり、この形態異常により側弯変形を来している疾患です。椎骨の形態異常の種類やカーブの大きさを考慮し治療方法を選択します。幼児期から学童期に手術治療が必要となる場合もあります。
側彎症の原因となる疾患が基礎にある場合です。原因疾患として、神経線維腫症、マルファン症候群、脊髄空洞症などがあります。
10歳以下で発症する側弯症では、装具治療を基本としながら経過を確認します。 高度に進行する場合には、成長を温存する矯正手術(Growing rod)を検討します。
加齢に伴う骨粗鬆症や椎間板・椎間関節の変化などにより、 背骨の配列が崩れ、体幹のバランスが悪くなった状態を成人脊柱変形と 呼びます。腰痛、下肢痛、立位保持や歩行の困難などを生じることがあり、悪化すると消化器症状(逆流性食道炎)まで引き起こす場合もあります。薬物療法、運動療法、歩行補助具の使用などで改善しない場合は手術治療を検討します。成人脊柱変形の手術は大がかりになる場合が多いため、その手術適応、手術方法は患者さんの全身状態を含めた色々な要素を詳細に検討してその適否を決定します。
手術治療の場合、入院期間は概ね3-4週間程度で、術後約5-6か月間は装具を装着し、運動を制限してもらっています。
当センターでは、多職種による術後早期回復プログラム (Enhanced Recovery After Surgery:ERAS)を実践しています。 医師、看護師、理学療法士、栄養士、薬剤師、ソーシャルワーカーなどが 連携し、手術前後の身体的負担を減らし、早期の回復と退院を支援します。
● 当センターへの受診
初めて受診される患者さんは紹介状が必要です。まずはお近くのクリニックを受診いただき、側弯症などの脊柱変形が認められれば紹介状をもらって当院地域医療連携室を通じて予約をしていただきます。
外来受診可能日:火、水、木の午前中です。