小児青年てんかん診療センター
小児青年てんかん診療センター開設について
当院は複数のてんかん専門医を有し、小児医療センターにおい多くの診療科と協力して、主に小児期のてんかん診療を行ってきました。2013年度には、てんかん専門外来を始めました。2014年度からは、てんかん診療包括カンファレンスを開催し、大学病院の脳神経外科や小児神経科医師、地域で開業されている医師が参加し、てんかん外科治療の適応の有無について議論し、外科治療を積極的に行ってきております。
そして2015年4月に、「小児青年てんかん診療センター」を開設するに至りました。小児青年期のてんかん診療は、こどもの脳の発達や将来そして人生を決定づけます。小児青年てんかん診療センターにおいては、次の3本柱を中心にてんかん診療を行っていく所存であります。
- 小児青年期のてんかんに対する内科的治療と外科的治療
- てんかん患者さんへの包括的支援
【小児脳神経内科ご希望の方へ】
大阪府外にお住まいで来院が困難な方は、オンラインによる診療が可能な場合があります。オンラインによる診察の可否は、かかりつけ医を通じて地域医療センター宛てにご相談下さい。 ※初診において向精神薬の処方は行っておりません。
- 地域連携の強化とセカンドオピニオンの受け入れ推進
小児青年てんかん診療センター
2015年4月1日
患者さま、患者さまの保護者の方へ
お子さんのてんかん原因について詳しく知りたい方へ
てんかんの原因としてよくあるものには、大脳皮質形成異常、頭部外傷、急性脳炎・急性脳症、脳腫瘍、遺伝子異常などがあります。しかし通常の検査では原因が特定できない場合も少なくありません。てんかんの原因を正確に診断することで、お子さんにとってベストな治療を選択できるようになります。当院には様々なてんかん関連の検査機器が揃っており、小児医療センターをはじめとする様々な部門と連携して、お子さんに合わせて検査をすることができます。てんかんの原因を調べる検査には、CTやMRIなどの「脳の構造」を調べる検査、脳波検査や脳核医学検査などの「脳の機能」を調べる検査、そして「からだの設計図」である遺伝子の解析をする遺伝学的検査などがあり、他の施設と共同・連携して実施しております。特に、点頭てんかん(West症候群)など治療でなかなか発作が治まらないてんかん(難治てんかん)の場合は、正確な診断のためには、多角的な検査やその評価、専門的な知識や経験が必要となります。小児青年てんかん診療センターでは、入院でのてんかん精査を受けたお子さんについては、複数のてんかん専門医、小児神経専門医、脳外科専門医が参加する定期的なカンファレンス(検討会)により、1例1例検討しております。
お子さんのてんかんに対して内科的治療(新規抗てんかん薬、食事療法など)や外科的治療(てんかん外科手術)など専門治療を受けられたい方へ
小児青年てんかん診療センターでは、基本的にはてんかん診療に特化した診察や検査を経て、てんかん専門治療を希望される方に担当医からの説明したうえで実施しております。てんかんの内科的治療は従来の抗てんかん薬を調節することを基本としますが、新規抗てんかん薬との組み合わせを考慮し、状況によっては臨床治験薬や未承認薬の投与などの相談にのります。また点頭てんかん(West症候群)を中心にさまざまなてんかんに対して食事治療(ケトン食、アトキンスダイエットなど)を考慮いたします。またてんかんの外科的治療には、てんかんを根本的に治療する根治手術と、てんかん発作の程度や回数を減らす緩和手術があります。当センターでは、定期的に開催している「てんかん外科包括カンファレンス」にて1例1例議論して、慎重に判断しています。
※当センターでの治療を希望される場合は、現在の主治医の先生としっかり御相談してください。当センターでの治療が終わり、病状が安定した場合、主治医の先生に検査結果や経過を御報告し、再度診療いただくようにしております。
お子さんのてんかん診断や治療について、総合的にお話しがお聞きになりたい方へ
通常の外来診療では治療経過や検査結果を、十分に時間をかけて評価できないことが少なくありません。そのような場合には、「セカンドオピニオン外来」において、時間をしっかり設けて、当センターとしての見解やコメントをさせていただきます。その際には、現在主治医の先生から 今までの治療経過と検査結果をお知らせいただく必要があります。またセカンドオピニオン外来で説明した内容については、現在の主治医の先生には書面にてご報告申し上げます。