主治医の先生ならびに医療機関の方へ
がんゲノム医療外来紹介にあたり、必ずご確認ください。
2019年6月よりがんゲノム医療の保険適用が承認され、当院でも、11月より保険診療でのがんゲノム医療を開始しました。
血液による遺伝子パネル検査(リキッドバイオプシー)が保険適用となり、組織での検査が困難な固形がんでも検査が可能となりました。
がんゲノム医療外来は、医療機関からの事前申込・完全予約制です。予約の際は、次の内容を必ずご確認ください。
がんゲノム医療の対象
(ア)保険診療の場合、登録時にECOG Performance Status 0~1である。
(イ)病理学的診断によって悪性固形腫瘍と診断されている。
(ウ)治癒切除不能または再発の病変を有する①または②の腫瘍である。
①原発不明がん
②標準治療がない、標準治療が終了している、もしくは終了が見込まれる固形がん(原発不明がんを除く)
※小児悪性固形腫瘍(脳腫瘍を含む)も対象
(エ)遺伝子解析が可能な検体が提出できる。
採血が必要な場合は、当院で実施します。
費用 令和4年4月保険点数が改訂されました。
検査費用として、56,000点(3割負担の方の自己負担:168,000円、自由診療の方自己負担:560,000円)が必要です。
【保険診療】
検査費用は、2回目の診察(検査時 44,000点)と3回目の診察(結果説明時12,000点)の2回に分けてお支払いいただきます。
検査に提出しても、最終的なレポート作成ができない場合がありますが、その場合も同額となります。
【自由診療】
検査費用は、2回目の診察時、560,000円全額をお支払いいただきます。
ただし、検体の状態不良などの理由で中止となったときは、お支払いいただいた検査費用の一部を返金いたします。
患者さんのご都合でキャンセルとなった場合の返金はありません。
※その他、診察料、診断料などが別途必要です。
※上記費用には、検査後の治療のための費用は含まれません。
がんゲノム医療外来申込手順
がんゲノム医療外来は、現在治療を受けておられる医療機関からの事前申込・完全予約制です。
次の①~⑧を準備いただき、必ず医療機関よりご予約ください。
1.次のものをご用意ください。
①がんゲノム医療外来診察申込書
② 診療情報提供書(任意様式)
③がんゲノム医療外来予約に関するチェックリスト(医師用)
④がんゲノム医療外来予約に関するチェックリスト(患者用)
⑤がんゲノム医療情報登録・別紙
⑥病理組織診断結果(写し)
⑦画像データ(CD)
⑧腫瘍組織
ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)未染色スライド標本
(「ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)未染色スライド標本について」参照)
※リキッドバイオプシーの場合、⑥・⑧は不要
※自由診療の場合、⑤は不要
がんゲノム医療外来の予約は、現在治療を受けておられる医療機関からの申込のみとさせていただきます。
資料が揃いましたら、当院の地域医療連携室あてにFAXでお申し込みください。
FAX番号:06-6929-0886
2.後日、担当医師と調整のうえ、予約日時を記載した診察予約票をFAXでお送りします。
診察予約票と②~⑤の原本、⑥、⑦、⑧を患者さんにお渡しいただき、1回目の診察日に健康保険証類と合わせてお持ちいただく様
ご案内ください。
※リキッドバイオプシーの場合は、⑥・⑧は不要です。
※自由診療の場合、⑤は不要です。
お返事には日にちを要します。 また、対象外等で、お受けできない場合もありますので、予めご了承ください。
※1回目、2回目いずれかの診察に、ご家族と来院いただく様ご案内ください。
3.がんゲノム医療の診察は、3回に分けて実施します。
1回目の診察で、がんゲノム医療の検査条件に該当するか判定し、検査についての説明をします。
※組織での検査の場合は、1回目の診察日に、腫瘍組織(未染色スライド標本、またはパラフィン包埋ブロック)を
ご持参いただかないと受診できません。
2回目の診察で、同意のうえ出検します。
検査結果に基づき、症例検討合同カンファレンス(エキスパートパネル)を実施し、検査より約1カ月後、
3回目の診察で検査結果と結果に基づいた治療選択について説明します。
4.検査結果と合わせ、結果に基づいた治療法についてご報告いたします。検査後の治療について、患者さんとご相談ください。
ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)ブロックより作製した未染色スライド標本について
・貴院での病理組織診断結果(写し)を必ず同封してください。(いただいた診断結果は返却いたしません)
・ご提供いただくホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)ブロックより作製した未染色スライド標本は1症例につき10μの厚さで10枚と
病理診断用に5μの厚さのもの4枚をご準備ください。
(注)薄切後、標本を45℃以上には加温しないでください。
・切り出し箇所が複数ある場合は、なるべく炎症細胞浸潤が少なく、がん組織の占める割合が大きい部分の未染色スライド標本をご準備
ください。腫瘍含有率は50%以上必要です。
・未染色標本を準備できない場合は、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)のブロックをお借りできましたら当院にて必要枚数の
スライドを作製後、ブロックは返却させていただきます。
※腫瘍細胞が50%未満でも検査できることがありますが、腫瘍細胞の割合が少ないと精度が低くなります。当院でもHE染色を行い評価いた
しますが、検査に適さないと判断された場合、検査できない可能性があります。
・以下のような組織から作成された標本は核酸の状態が悪く検査ができない可能性があります。
1)中性緩衝ホルマリン以外の緩衝作用のないホルマリンや酸性ホルマリンで固定された組織
2)ホルマリン固定時間が長い(48時間を超える)組織
3)ホルマリン固定後5年以上経過している古い組織
4)骨転移の組織
5)過去に受けた放射線治療の照射範囲に含まれている組織
検体の準備はご紹介いただいた医療機関にお願いしております。ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。