冷凍アブレーション

クライオアブレーションとは

 従来、アブレーションは高周波を用いて心筋組織を焼灼することで心筋の伝導を障害し、不整脈を治療してきました。
クライオアブレーションとは焼灼するのではなく、組織を冷凍凝固することで心筋組織に障害をもたらし、不整脈を治療するものです。

カテーテル先端部で液化亜酸化窒素ガスというガスが組織から熱を奪うことで心筋組織をマイナス40℃~50℃に冷却して組織障害を来します。

クライオアブレーション

心房細動に対するカテーテルアブレーション

心房細動の原因となる期外刺激の8~9割が肺静脈を起源とすることがわかって以降、心房細動に対する肺静脈隔離術が広く行われるようになりました。
従来の高周波アブレーションでは肺静脈起始部を1点ずつ焼灼し、線とすることで、肺静脈を電気的に隔離します。
新たに登場してきたクライオアブレーションではバルーン(クライオバルーン)を用いて肺静脈起始部を1回の冷却で隔離することができるようになり、手技時間を短縮することが可能となりました。

クライオバルーン

従来の高周波アブレーションとクライオアブレーション

 

 

クライオバルーンアブレーションのメリット

なんといってもそのメリットは手技の簡便さと高い治療成績です。従来の高周波アブレーションと比較して手技時間の短縮が報告されています。
治療成績も、1年非再発率が約80%と高周波アブレーションを上回る成績が報告されています。

 当院では2015年11月より発作性心房細動の患者さんに対してクライオバルーンによるアブレーションを開始しています。
心房細動は発作性から持続性心房細動へと進行し、心房細動の持続期間が長くなるほどアブレーションによる治療成績が低下することがわかっています。
そのため、発作性の時期に短時間で施行でき治療成績も良好なクライオアブレーションを積極的に行っていきたいと考えております。