大阪市立総合医療センター,Osaka City General Hospital

TEL.06-6929-1221

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小児耳鼻咽喉科 <完全予約制>

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科の特色

 新生児から、乳幼児、学童、中学生までにおよぶ期間の耳鼻咽喉科疾患全般の診断と治療を行っております。耳鼻咽喉科領域には、耳・鼻副鼻腔・咽頭・喉頭・口腔・唾液腺・甲状腺など、機能が異なる多くの種類の臓器が含まれているため、様々な生体機能が当科の診療対象となります。
 当科で扱う最も特徴的な機能として「コミュニケーション」の機能があります。コミュニケーションには、主に「話しことば」による「口頭コミュニケーション」と、「書きことば」による「文書コミュニケーション」がありますが、前者の口頭コミュニケーション (いわゆる「会話」)においては、耳における聴覚機能と、鼻腔・口腔・咽頭における構音機能がそれぞれ、ことばの音の情報のinputとoutputの役割を担っています。当科では、これらの両方の機能の障害である聴覚障害、および構音障害の双方の診断・治療、および早期療育に重点をおいています。
 もう1つの特色として、咽頭・喉頭・口腔における、構音の他の重要な機能として、気道 (呼吸時に空気を通す)、嚥下 (食物を口から食道を経て胃に移動させる)、および発声 (音声を発する)があります。当科では、気道の障害・嚥下障害・音声障害の診断・治療にも力を入れております。

診療方針

聴覚障害

 当科の聴覚障害の診療においては、耳鼻いんこう科・頭頸部外科専任の言語聴覚士が、熟練した手技で患児の年齢に応じた様々な聴力検査を行い、豊富な経験に基づく細やかな対応で聴能訓練を行っております。例年、新生児聴覚スクリーニング検査でrefer判定を受けた乳児の患者さんを多数ご紹介いただき、聴性脳幹反応検査 (ABR)を含む精密検査を施行し、難聴の程度に準じて対応を行っています。高度難聴児に対しては、早期に補聴器のフィッティングを行い、難聴児教育施設と連携して早期の療育に努めています。また補聴器の効果が乏しい場合には、積極的に人工内耳埋込術を施行し、術後の言語聴能訓練を行っております。
 乳児のみでなく、難聴でご紹介された幼児・学童に対しても、滲出性中耳炎に対する鼓膜チューブ挿入術、真珠腫を含む慢性中耳炎に対する鼓室形成術などの耳科手術も数多く行っており、大阪における小児難聴診療の拠点としての役割を担っています。

構音障害

 話しことばの子音・母音の音を発することを「構音」といいます。構音は、口腔・咽頭・鼻腔・喉頭の運動により行われます。一方、話す時に、今から話そうとする「ことば」の内容を組み立てることを言語機能 (language function)、「ことば」を話す際の口腔・咽頭・鼻腔・喉頭の運動の順序を計画し、正確に遂行することを発話機能 (speech function)といいますが、これらの機能には、鼻咽喉・口腔でなく脳が関与します。
 話しことばに問題が見られる場合、まず当科で構音器官である咽頭・喉頭・口腔・鼻腔領域の構造に異常がないかを確認します。舌小帯短縮症では手術対象となる場合があります。口蓋裂に伴う鼻咽腔閉鎖障害については、形成外科・口腔外科・小児言語科と協力して診療に当たります。一方、発声・構音器官の構造に異常が認められず、言語機能・発話機能の異常が疑われる場合には、小児言語科に紹介し、小児言語科専任の言語聴覚士が言語機能について評価を行います。

咽喉頭機能障害 (気道・嚥下・音声の障害)

 咽喉頭の機能障害の評価に関して、当科外来には直径2.6mmの高解像度電子内視鏡を備えております。この細径電子内視鏡は、新生児の鼻腔に容易に挿入することができるため、呼吸・発声・嚥下時の咽喉頭の動きを詳細に観察することが可能です。

気道の障害

 咽頭・喉頭において気道が閉塞・狭窄して呼吸困難が生じた場合には生命に影響が及ぶため、適宜気管切開術を施行し、カニューレ管理を行っております。また気道の障害の一種として、閉塞型睡眠時無呼吸 (OSAS)があります。成人では肥満・鼻閉・扁桃肥大・加齢・薬剤投与など様々な原因が複合してOSASが生じますが、小児のOSASのほとんどはアデノイド増殖・口蓋扁桃肥大が原因となっているため、治療としてアデノイド切除術・口蓋扁桃摘出術が有効です。当科では、これらの手術を例年多数施行しています。

嚥下障害

 嚥下障害については、嚥下内視鏡検査 (VE)のみでなく、嚥下造影検査(VF)も施行しており、新生児に対してもVFを施行しております。重度の誤嚥、誤嚥性肺炎の反復がある場合には、呼吸機能低下の進行を防ぐため、気管喉頭分離術・喉頭閉鎖術などの誤嚥防止術を行っています。

音声障害

 小児特有の音声障害疾患として、声帯結節と変声障害(声変わり障害)があります。声帯結節に対しては薬物療法と声の安静が重要となります。変声障害に対しては、医師が音声訓練を施行しています。

重症感染症

 急性乳様突起炎・咽後膿瘍・深頸部膿瘍などを含む重症感染症の救急患児を積極的に受け入れており、小児感染症科・Pediatric ICUと協力体制の下で治療を行っております。

鼻腔疾患

 アレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法を5歳以上の方に行っております。

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