大阪市立総合医療センター > ご来院の皆様へ > 診療科・部門一覧 > 小児系診療科 > 小児外科
「小児外科」と聞いて「スペシャリスト」「特殊な外科」などのイメージを持つかたも多いでしょう。しかし、小児外科はあらゆる年齢、あらゆる臓器の外科治療を行う診療科です。基本的には新生児から15歳までのこどもを治療対象としていますが、生まれる前の赤ちゃん(胎児)とその家族、さらには小児外科疾患をもった高校生や成人まで診療しています。また治療の対象とする臓器は呼吸器(肺、気管支、横隔膜)、消化管(食道、胃、小腸、大腸、肛門)、肝臓、脾臓、膵臓、泌尿器科(腎臓、尿管、膀胱、尿道)におよび、あらゆる手術を手がけています。さらに当院は良性疾患だけでなく、小児悪性腫瘍の手術を行う数少ない小児外科病院の一つでもあります。
前述のように、小児外科ではあらゆる年齢、あらゆる病気を対象としていますが、当科ではとくに小児外科救急、新生児外科、小児悪性腫瘍、低侵襲手術に取り組んでいます。
1.小児外科救急
現在、小児救急医療は崩壊の危機にあり社会問題になっています。緊急手術が必要となるような疾患は小児では多くはありませんが、対応が遅れると急激に状態が悪くなり、命にかかわるものや、後遺症を残すものがあります。こどもに全身麻酔および緊急手術ができる小児外科病院は関西圏でもわずかしかありません。当科では24時間体制で小児外科救急を受け入れており、夜中に緊急手術などが必要な場合でも、迅速に対応することが可能です。これまで当科では1年間に200人程度の救急患者を診察し、そのうち20~30%に緊急手術を行っています。
2.新生児外科
当科では年間に40~60人の新生児(生後30日までの赤ちゃん)が入院し、そのうちの30~50人に手術を行っています。新生児の外科診療は赤ちゃんが生まれる前から始まっています。近年では胎児超音波検査の発達により生まれる前から外科疾患が診断でき、当科に入院する新生児の50~60%は生まれる前に母親が産科に搬送されています。そこで、1週間に1回、産科、新生児科、小児外科で「周産期カンファレンス」を行い、生まれる前から診断や治療方針の検討を行っています。なかでも死亡率が高い横隔膜ヘルニアや臍帯ヘルニアは出産直後から集中治療を開始しています。
また通常の新生児外科疾患のみならず、超低出生体重児に対する緊急手術や、多臓器に疾患を持つ重症患児に対しても、新生児科や小児心臓血管外科、小児脳神経外科などと協力して専門的な医療を行っております。
3.小児悪性腫瘍
小児腫瘍の治療成績は超大量化学療法、骨髄移植、幹細胞移植の導入により著しく改善してきました。しかし、今もなお死亡率が高い腫瘍も多く、多数の診療科およびコメディカルが協力して集学的治療を行うことが重要不可欠です。
当院は厚生省によって定められた日本に15か所しかない小児がん拠点病院の一つであり、関西における「小児がん治療の拠点」として機能しています。当科では小児血液・がん学会認定外科医が勤務し、小児血液腫瘍内科、小児脳外科、小児整形外科、放射線治療科などと協力し、小児悪性固形腫瘍に対して専門的な医療を行っております。
4.低侵襲手術
近年、小児外科でも腹腔鏡や胸腔鏡を用いた「低侵襲手術(鏡視下手術)」が導入されてきました。鏡視下手術は傷跡が小さく目立たないだけでなく、痛みが少なく、術後の回復も早いことが特徴です。最近では漏斗胸手術、虫垂切除術、重症心身障害児に対する噴門形成術のほぼ全例、および鼠径ヘルニア・水腫手術の約40%(LPEC法)を鏡視下で行っています。
小児外科患者を紹介いただく場合、月曜から金曜午前9時から午後8時までと、土曜午前9時から午後1時までは地域医療連携室(TEL:06-6929-3643)に、それ以外の夜間・休日は代表番号(TEL:06-6929-1221)にご連絡ください。
緊急を要する場合には代表番号(TEL:06-6929-1221)から小児外科のスタッフ(佐々木、山田、髙間のいずれか)をお呼び出しください。直接対応いたします。
小児外科に興味のある方は「tak-sasaki@med.osakacity-hp.or.jp」にお問い合わせください。
なお、「匿名のご質問」、「病気に関するお問い合わせ」にはお応えできません。
COPYRIGHT © 地方独立行政法人 大阪市民病院機構. ALL RIGHT RESERVED.