大阪市立総合医療センター,Osaka City General Hospital

TEL.06-6929-1221

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乳がん術後の乳房再建

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右記はこれまで乳房再建が行われてこなかった時代の乳房切除術の状態です。
現在では、定型的乳房切断術は行われなくなり、乳輪、乳頭温存の有無にかかわらず、皮下乳腺全摘術や、部分切除+放射線治療が主流となっています。
しかし、乳房温存術という部分切除術でさえ、言葉以上に変形は目立ち、温泉やボディラインが目立つような服装は控えるようになってしまいます。
そんな生活の質(QOL)を向上する方法が乳房再建です。
具体的には、自分の組織を使う方法、人工物を使う方法、乳癌の切除と同時に行う方法、別々に行う方法の4つの因子がさまざまな組み合わせを生みます。それぞれのメリット、デメリットがあり、それぞれの患者さんに一番あった方法を選択していくこととなります。そのために、乳房再建外来でのご相談をさせていただいております。(下記参照)

乳腺切除術後

乳房切除について

広背筋を用いた再建

広背筋という背中の筋肉とその上についている皮膚、脂肪を用いて乳房を作ります。背中の皮膚、皮下脂肪の厚みにもよりますが、比較的小さな乳房の再建に使用します。
また、広背筋自体は手術で使用しても日常生活への影響はほぼないといわれていますが、術後の肩こりや腰痛の憎悪などが問題となることがあります。

再建手術時間 約3~4時間
腹部穿通枝皮弁による再建

腹部穿通枝皮弁による再建

腹部の皮膚、脂肪、時に筋肉の一部を用いて乳房を作ります。非常に細い血管を丁寧に処理し、一度血管を切離して、顕微鏡下に血管をつなぐ必要があります。
この手術は難易度が高く、どの施設でも行っている手術ではありませんが、当院では積極的に行っています。
いずれも腹部の多くの皮膚、脂肪を用いることができるため、大きな乳房をつくることができ、筋体の損傷がきわめて少ないため、術後の機能的な問題はごくわずかです。

再建手術時間 約8~10時間
人工乳房(インプラント)による再建

人工乳房(インプラント)による再建

皮膚に余裕のある場合にはシリコンインプラントを挿入します。ただし、原則としてエクスパンダーを挿入してから入れ替えることが推奨されています。

再建手術時間 約1.5時間

皮膚に余裕のない場合、または皮膚が縮むのを防止したい場合にはティシュエキスパンダーという医療用の風船を使用します。この風船に徐々に生理食塩水を注入することで、皮膚を引き延ばしておく効果があります。最終的にはシリコンインプラントでの置き換えが必要です。

再建手術時間 約2~3時間
乳輪乳頭の再建

乳輪乳頭の再建

通常乳房の再建の手術の後、6か月程度で傷の状態が落ち着きます。その後、乳輪、乳頭の再建を希望された場合、自家組織、人工物による乳頭の手術、自家組織、入れ墨による乳輪の中から選択することができます。

再建手術時間 約1~2時間

「※写真の転写は禁止します。」

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