大阪市立総合医療センター,Osaka City General Hospital

TEL.06-6929-1221

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医事課

前立腺がん・腎がん・膀胱がんの最新手術
手術支援ロボット『ダヴィンチ Xi』

前立腺がん、腎がん、膀胱がん、腎盂尿管移行部狭窄に
対するロボット支援手術に、健康保険が適応されます

医事課

2015年、当院泌尿器科で、前立腺がんに対するロボット支援前立腺全摘除手術を開始しました。以後、2016年に、腎がんに対するロボット支援腎部分切除術を開始し、2018年に、膀胱がんに対するロボット支援膀胱全摘術を開始しました。また、2020年から、腎盂尿管移行部狭窄に対するロボット支援腎盂形成術を開始しました。いずれも、健康保険が適応されます。

前立腺がんに対するロボット支援前立腺全摘術(RARP)について

前立腺がんの治療には、多くの種類があります。手術治療だけでなく、放射線治療として、小線源療法や外照射療法などがあります。当院泌尿器科では、放射線科と定期的にカンファレンスを実施し、患者さんそれぞれの背景や希望をふまえて、最も適切な治療を提供しています。2020年末までに、225人の前立腺がん患者さんに対し、ロボット支援手術(RARP)を実施してきました。従来の手術に比較し、出血や尿失禁が少なく、入院日数も短縮し、体により優しい治療が提供できています。

腎がんに対するロボット支援腎部分切除術(RAPN)について

腎がんに対するロボット支援手術(RAPN)は、7cm未満の腫瘍であれば、適応となります。血流の豊富な腎臓に対する部分切除術は、比較的リスクの高い手術で、さらに腫瘍の部位や深さにより、手術の難易度(ネフロメトリースコア)が変化します。当科では2020年末までに、125人の腎がん患者さんにロボット支援手術を実施してきました。これまでの手術では、腎全摘を選択せざるをえなかった難易度の高い腎がんに対しても、腎部分切除、すなわち腎温存療法を提供しており、特に腎機能低下のある患者さんに、恩恵を実感していただいています。
  
また、当科では術前に、腎がんの部位や深さ、血管や尿路との位置関係を把握するために、3DCT解析(Synapse Vincent®)を実施しています。これにより、術前に詳細なシミュレーションが可能となり、手術の安全性を高めることが可能となりました。

3DCT解析像
(左:腫瘍は赤色で表示、右:腫瘍摘除後をシミュレーション)

医事課

さらに、術中は、体腔内エコープローベにより、腫瘍の位置を把握し、部分切除を実施していきます。

術中体腔内超音波検査
(左:体腔内プローベ、右:超音波検査での腫瘍影(矢印))

医事課
膀胱がんに対するロボット支援膀胱全摘術(RARC)について

膀胱がんに対するロボット支援手術(RARC)を、2018年4月より、新たに開始しています。2020年末までに、37人の患者さんに実施してきました。膀胱がんに対する全摘術は、尿路変向術(尿の通路を再建する手術)を伴います。尿路変向術には、尿管皮膚ろう、回腸導管、新膀胱造設術といった種類があります。

医事課

尿路変向術それぞれに、手術の所要時間や、腸管を利用するか否か、ストーマを作成するか否かといった違いがあるので、患者さんごとの背景、希望に応じて、決定していきます。また、尿路変向術については、最先端の術式である、ロボット支援体腔内尿路変向術(ICUD: intracorporeal urinary diversion)を実施しています。これは、手術の行程全てを、お腹の中(腹腔内)だけで実施する術式です。これにより、従来の、開腹による尿路変向術に比較し、輸血やイレウス(腸が麻痺する)といった合併症が減少しています。

医事課

診療実績

2020年のロボット支援手術の診療実績は、前立腺がん(RARP)35例、腎がん(RAPN)31例、膀胱がん(RARC)15例でした。また、2020年から、腎盂尿管移行部狭窄に対するロボット支援腎盂形成術も開始しています。

医事課
腎盂尿管移行部狭窄(水腎症)に対するロボット支援腎盂形成術について

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