大阪市立総合医療センター,Osaka City General Hospital

TEL.06-6929-1221

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開頭頭蓋内腫瘍摘出手術

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開頭頭蓋内腫瘍摘出術の適応

ほぼ全ての脳腫瘍に対して適応があります。(髄膜腫、神経鞘腫、神経膠腫、頭蓋咽頭腫、転移性脳腫瘍など。)
腫瘍により何らかの神経症状を認める場合、腫瘍が大きく、脳や神経組織に対する圧迫が強いと判断される場合、経過観察中に腫瘍が増大している場合などには、より積極的な手術治療の適応と考えられます。
一方で、脳悪性リンパ腫や胚細胞腫瘍といった疾患に対しては、摘出術よりも放射線治療・化学療法の効果が高いので、摘出術ではなく別の治療方法を検討します。

手術のリスク

腫瘍の局在、大きさ、血管や神経との関係性、全身状態などにより手術のリスクが発生します。開頭頭蓋内腫瘍摘出術は、一般的に3−5%の手術リスクと考えられていますが、当科では最新の医療機器(手術用顕微鏡、術中ナビゲーションシステム、術中神経生理学的モニタリングシステム、術中迅速病理診断、ハイビジョン内視鏡など)を完備し、専門性の高いスタッフからなるチーム医療を行うことにより手術リスクを極めて低い水準に保っています。

最近2年間の当科で施行した開頭頭蓋内腫瘍摘出術に関連した手術合併症の状況は、以下のとおりでした。この結果は個々の患者さんの手術リスクの確率としてあてはまるわけではありませんが、全体として高い安全性が示されていると判断します。

開頭頭蓋内腫瘍摘出術に関連した手術合併症
周術期死亡 0%
重度の神経症状悪化 0%
一過性の神経症状悪化(意図しなかったもの) 2%
全身併発症の悪化 1%
麻酔方法、手術時間

通常は全身麻酔下で手術を行います。手術時間は5時間から10時間程度で、腫瘍の部位、大きさ、性状、周囲構造物との関係、および患者さんの状態により手術時間がかわります。

手術および治療に関わる費用

手術および入院に関わる自己負担費用は手術内容や疾患の状況によって大きく変わります。診断がある程度確定した時点で事前に費用の概算を調べることが出来ます(医療相談窓口)。大きな手術等で医療費が高額になる場合には高額療養費制度の適応になり、医療費の負担を減らすことが出来ます。

頭髪の処置について

開頭腫瘍摘出術では、頭部の切開部位に応じて部分的に頭髪を剃毛する事があります。早期の社会復帰を目標とする場合は最小限の剃毛で極力目立たないように考慮を行います。一方で、病状によっては全頭部を剃毛する場合もあります。術前の手術説明時に最終的な打ち合わせを行います。

手術の流れ
  • 術前は2〜3日前からの入院です。麻酔科による術前診察を受けて頂き、問診と全身状態の確認、歯牙のチェックなどを行います。
  • 手術当日、8時45分に手術室に入室となります。
  • 手術台に仰向けになって頂き、点滴による麻酔導入で意識のない状態になります。
  • この後、気管内挿管を行い、全身麻酔の状態とし、頭部の固定、手術部位の消毒をおこなって手術を開始します。
  • 病変の露出に必要な部位に対して皮膚切開をおこない、頭部の筋肉および頭蓋骨を開いて開頭します。
  • 腫瘍の露出を行い、周囲組織との剥離を行いながら摘出します。
  • 摘出が終了したら脳を覆う膜(硬膜)を閉じて、外した頭蓋骨の固定を行い、筋肉および皮膚を縫合して手術を終了します。
  • 全身麻酔を終了して意識を回復させ、頭部CTを施行してICUに入室します。
  • 手術の経過をご家族に説明し、ICUで面会して頂きます。
術後の一般的な経過

通常は、手術翌日に一般病棟に移動します。
座ったり、飲水の練習を行います。可能であれば食事を開始します。開頭腫瘍摘出術は他の部位の手術と比較して痛みは少ないですが、手術直後は手術部位などの疼痛に対して痛み止めが良く効きますので、痛みがあれば積極的に痛み止めを使用します。
状態が落ち着いていれば歩いたり、トイレに行ったりするようになります。
手術から3〜5日めで、病棟内歩行、シャワー浴などを徐々に行います。必要があればリハビリテーションも行います。リハビリテーションの内容は病状に応じて様々ですが、理学療法、言語療法、作業療法などに分けられます。
血液検査やMRIなどの画像検査を必要に応じて行い、腫瘍の摘出度の確認をします。手術部位の観察、消毒を適宜行い、約1週間で抜糸します。
追加治療をしない場合の術後経過としては、おおよそ平均して10日間ぐらいの入院です。

退院後の生活

退院後、散髪やパーマ、毛染めなどは約1ヶ月後から可能です。
復職や復学、旅行、スポーツ、車の運転などの時期については主治医にご相談ください。

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