大阪市立総合医療センター,Osaka City General Hospital

TEL.06-6929-1221

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頭蓋顔面外科

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頭蓋(骨)縫合早期癒合症や顔面の低形成の病気に対して、小児脳神経外科・矯正歯科・小児耳鼻咽喉科・口腔外科とともにチーム医療を行っています。CTデータから作成した実物大の実体モデルを利用して、手術前シミュレーションし、より正確で高度な治療を行います。これらの手術は、月齢により治療方針が大きく異なるため、できるだけ早期に受診していただき、正確な診断の元、治療を開始することが望まれます。

頭蓋(骨)縫合早期癒合症に対する頭蓋形成術

この病気は、一般的には約1万人に4-14人と稀な疾患です。一方、当医療センターにおいては17例/年と多くの症例を治療しています。病気の原因としては、おなかの中で、本来作られるはずの骨の継ぎ目(頭蓋縫合)が、生まれる前に閉じてしまうことです(早期癒合症)。そのため、脳が成長するスペースが足りなくなったり(脳圧亢進)、頭や顔の変形を生じてしまうことが問題です。

手術が必要かどうかの判断は、眼の検査(眼窩底所見)、頭の検査(頭部レントゲン、CT、MRI所見)によって判断します。
手術の方法は月齢に応じて異なり、早期に受診していただいた場合、3か月までにくっついているところ(縫合部)を切り離す手術(開溝術)を検討し、それ以降は、拡大に必要な容量を当院オリジナルデータで照合したうえで、骨延長法もしくは、一期法による頭の形成術を行います。

短頭症に対して骨延長法にて頭蓋形成術を施行。術後、骨延長した部分に新しく骨の形成を認め、頭の形のバランスが改善している。(青矢印)

短頭症に対して骨延長法にて頭蓋形成術を施行。術後、骨延長した部分に新しく骨の形成を認め、頭の形のバランスが改善している。(青矢印)

頭蓋形成術(一期法)

舟状頭に対して頭蓋形成術(一期法)を行った症例。術後前後方向の長さが短縮してバランスが取れている。

三角頭蓋に対して頭蓋形成を行った症例

三角頭蓋に対して頭蓋形成を行った症例。術後おでこの突出した部分の形態が丸みを帯びて改善している。

顔面骨異動術

クルーゾン症候群やアペール症候群などの症候群性の頭蓋(骨)縫合早期癒合症で、成長に伴って顔面の陥凹が目立ってきます。つまり眼が飛びでた状態(眼球突出)となり、かみ合わせ(咬合)が合わない状態となります。また、上顎が成長しないために睡眠時無呼吸発作を生じることがあります。この状態に対して改善する方法を顔面骨切術(LeFort骨切術)といいます。具体的には、顔面の真ん中の部分を周囲の骨から切り離し、前方へと牽引することで、本来成長することによって得られる顔貌と咬合を獲得しようとするものです。当院では、年齢と顔面の陥凹の程度に応じて一期法(骨移植を併用)と骨延長法を行っております。

創外(ハロー)固定型骨延長器

創外(ハロー)固定型骨延長器を装着しているところ

骨延長術と同時に顎間ゴムの装着

当院では、骨延長術と同時に顎間ゴムの装着を行い、よりバランスのとれた咬合を獲得できるように工夫しています。

LeFortⅢ型骨切延長術

アペール症候群に対してLeFortⅢ型骨切延長術を施行。術前の中顔面の低形成による眼球突出感は術後改善している。

骨延長法

骨延長法では、定期的な術後のレントゲンにて、必要量までの延長量を術後に決定することができる。

当科では頭蓋骨から顔面骨まで一連の治療として手術療法を行っています。他院からのご紹介、セカンドオピニオンなど幅広く対応させていただいております。専門外来(頭蓋顔面外来)へご相談ください。

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