理事長挨拶

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理事長挨拶

 

 大阪市の市民病院は、大阪市が市政となる2年前の明治20年(1887年)に、桃山市民病院(現在は廃院)の前身の病院として最初に建設されました。今年で136年の歴史があります。これまで患者ニーズの多様化、社会における病院の役割などそれぞれの時代環境に応じて変化しながら、救急医療、小児・周産期医療、結核・感染症医療、精神医療、災害医療など、市民の皆さんに必要な医療を提供してまいりました。さらに平成26年(2014年)10月には経営形態を地方独立行政法人に変更しています。

 現在は2つの病院と1つの診療所、大阪市内で最大規模の「総合医療センター」、大阪市内淀川以北で唯一の公的病院である「十三市民病院」、および府立の大阪急性期総合医療センターに統合された旧住吉市民病院の跡地で「住之江診療所」を運営しています。
 総合医療センターは、「地域医療支援病院」のみならず、大阪府下17か所の「地域がん診療連携拠点病院」、全国15か所の「小児がん拠点病院」、大阪府下14か所の「がんゲノム医療連携病院」、市内6か所の「3次救急医療機関」、府内3か所の「小児救命救急センター」、市内2か所の「総合周産期母子医療センター」のそれぞれひとつであり、さらに市内唯一の「感染症指定医療機関」です。国内2番目、西日本初の「AYA世代専用病棟」や緩和ケア病棟、精神科病棟も有しています。
 十三市民病院は、大阪が結核の多発地域であるにもかかわらず、近年周辺の公私の医療機関が結核病床を廃止ないし縮小しているなかで、市内唯一の結核病床を有しています。結核を中心とした感染症治療、小児・周産期医療、救急医療に力を注いでいます。また2020年には大阪府指定のがん診療拠点病院にも指定されており、がん治療にも重点を置いています。
 住之江診療所は市立住吉市民病院の跡地における新病院設置までの間、暫定的に地域に不足する小児・周産期の一次医療を提供しています。
いずれの医療機関も地域にはなくてはならない存在です。

 新型コロナ診療では総合医療センター、十三市民病院ともに多くの患者の治療を行ってまいりました。都会の中の公立病院の役割を十分に果たせたと思っています。これからも、公立病院でなければ担えない機能の強化を図りながら、高度専門医療の充実にもさらにつきすすみ、地域に望まれる、地域に不可欠な病院であり続けたいと思います。
 もちろん、経営の安定なしには良質な医療の提供はできませんので、独立行政法人化したメリットを生かして、経営基盤の強化も果たしていきたく思います。
 これからも公立病院として市民の皆様の健康と医療を守る「最後の砦」として、「安全、安心、納得の医療」を皆様に提供してまいります。

 患者さんおよび市民の皆様の信頼にお応えできるよう、職員が一丸となって取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

令和5年4月1日
理事長  西口 幸雄

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